BD-1との生活。自転車と川がこんなに相性が良いなんて! |
自転車でどこかへ出かけるようになってから、ふと気が付くと川の側を走っている事が多い事に気づきました。
なぜかと言うと大抵の自転車専用道路は川沿いにあるからです。それだけでなく一般道でも川沿いの道のほうが交通量が少なく走りやすいのです。
治水のためにはスペースを取る必要があり、それが自転車にも幸いしているのです。
僕が一番良く走るのは藤沢から大和まで、ちょっと足を伸ばせば南町田のショッピングモールまで足を伸ばせる境川自転車道です。
このアメリカ風のショッピングモールは村上春樹の魅力的な短編集、『東京奇譚集』の中の不思議な偶然を描いた作品の主人公がいつもお茶を飲みながら本を読むという場所に違い無い、と勝手に推測しているのですけど、もちろん僕の場合はお洒落なカフェでゆっくり本を読みながらお茶など飲まず、MACの100円コーヒーでちゃっちゃっとお茶を濁してすぐU―ターンですけど。
他にも近所には引地川自転車道路もあります。
途中で一般道に紛れてしまうのがちょっと困りますが、ある春の日、どんどん進んで行くと川の両脇に何千本もの桜が咲き乱れている場所に出たこともあります。
そういえば桜は川沿いに植えられていることが多いので、うららかな春の日に川沿いを走っていると沢山の桜に出会うことが多いのです。
引地川も境川も当然ながら海にそそいでいます。共に藤沢市を抜けて海に注いでいるのですが、川が海に入る直前の風情というのがまた良いのです。
若い時散々無茶やりやがったけど、今はあんなに温和になって、みたいな雰囲気があり、なぜか穏やかな風景に感じるのです。
その変身ぶりは河口の大きな川ほど鮮やかに見えます。たとえば鶴見川は今は住宅地となっている東京都町田市はずれの泉から生まれて住宅地を流れて行くのですが、だんだんと川幅が広くなり景色が広がって行きます。新横浜付近まで下ってくると高層ビルやスタジアムなどが目に入り、急に未来の世界に来たかのように感じます。
最後に工場地帯から海にそそぐのですが、ここまで来ると実に立派な大河となってゆるゆると海に入るのです。それはなぜかタイムマシンで時間を漂っているようです。
時々横浜の馬車道まで自転車で出かけます。
大船駅から戸塚まで線路に沿って柏尾川が流れていて、ここも桜並木の美しい自転車道路となっているのですが(ちょっと距離が短すぎるのが難点)、この柏尾川に注ぐ小さな支流、いたち川沿いにも小綺麗な遊歩道があります。
これは鎌倉街道を横切って金沢八景に続く道の途中まで続いて終点は小さな公園になっており、カワセミのショットを狙う大型カメラを持った人がいつも数人たむろしているようなスポットになっています。
この遊歩道がなかなか凝った造りになっていて、途中にいくつかのブロンズの彫刻があったり、川の中に同じくブロンズのかわうそが何頭か遊んでいたりします。
アフロヘアーのゴスペル3人組のようなおばさん3人組みの像にはいつも笑ってしまいます。
横浜に行くには鎌倉街道までこの遊歩道を利用します。
街道に出て7曲がりというどこにも存在する名前のそこそこの急坂を登りきり、そこを一気に下ると賑やかな京浜急行の上大岡の駅前を通過します。
その少し先を大岡川というのが横切ってれているのを見つけたのは最近のことでした。
川沿いに交通量の多い鎌倉街道から細い道を入ると自転車専用道路ではないですが、街道とはちがって急にのんびりした景色が現れます。
ここも桜の名所でした。桜のシーズンにはこの川を下る船まで出るというので、どこいら辺かと思っていたらここだったのです。
住宅地を抜けると繁華街の裏を川が流れて行きます。
昔の赤線地帯、今では再開発されお姉さんが立っていた飾り窓がアートギャラリーに変身している黄金町、いまだに風俗の店が乱立している伊勢佐木町の裏通り、昔の露天商を一つに整理した野毛の小さいビル、そんな時代の遍歴が川に沿って博物館のように並んでいます。
「いったいこの川はどこで海に出るのだろう」と思っていたら、馬車道の裏の馴染みの景色の場所に出たので驚きました。
そうかこの川だったのかと、良く知った景色がまったく違って新鮮に見えたのでした。
いくつかの作業船が浮かぶ河口の先にはみなとみらいの高層ビルがいくつもそびえ未来都市のように見えます。
川のすぐそばには僕が会社に入社した時数年間過ごしたボロボロのビルが建て直され新しいビルになって立っていました。
そこは川の終着点でもあるけれど自分の過ごしてきた時代の結末の風景のようにも見えたのでした。
そういえば後2か月もすれば再び桜のシーズンとなります。またぶらぶらと自転車に乗って桜でも見に行くことにしましょう。
昨年、鶴見川をちょっと長めに歩いたのですが、その時、川には
自転車だ!と思いました。アップダウンの少なさが保証されてます。
もう少し暖かくなってから始めようとかと。ご紹介の境川と
鶴見川の上流の方に家があるので、その日の気分で東京湾を
目指すか、相模湾を目指すか、決めるのもよさそうです。
この記事に触発されて、境川の上流から下流まで眺めてみました。すると、何時もいろいろなところで出会っている川が、この境川だと言うことが解りました。橋本を横切り、町田の下も、東名と246の下や、先週通った、瀬谷の通信所も、長後からお宅の側を通って、何と江ノ島のあの川がそうなんですね。これは一回自転車で走らなくてはと思っています。
格好いい自転車は近所周りに使っていますよ。