帰ってきたPOLO。1年4カ月乗ってみての【まとめ】 |
帰ってきたといってもほんの1週間(正確には6日)なのですが、ちょっと大げさに思われるかもしれませんけど、ひさしぶりに乗ってみるとその高級車ぜんとした振る舞いに改めて感激します。アイドル時の静けさは格別ですし、そこからの加速の滑らかさと電気モーターのような(音も!)エンジンもこんなに小さな車とは思えないものです。
そして何よりもボデイ全体の剛性感あふれたしゃきっとした感じが安心感をあたえてくれます
この車をメルセデスEクラスのセカンドカーとして利用しているAさんが言っていた【Eクラスと乗り比べても差を感じない】という言葉が十分納得できるのですが、
なんせ僕はメルセデスを持っていないので想像の範疇でしかありません!
しかし先日偶然であったロータスエランのきゃしゃなドアやボデイを見たとき、そしてはるか昔乗っていたサニー110などを思い出してみると、小型車の世界が想像できなかった領域まで足を踏み入れてしまったことが実感としてわかるのです。
実は今回の入院?はVWJAPANにとっては迷惑なことだったかもしれません?
時々思い出したように発進時にクラッチのジャダーのようなもの(ペダルとフロアにガタガタと振動が出る)が出たので、セールスに相談したら、見てみるので出しくてださい、とのことだったので保証のまだ残っている内にと入院させてみたのです。
人間とか犬と同じで医者に行くと、ぴたっと病状が出なくなるのは車も一緒で、相当乗って試してくれたようですが病状は現れなかったとのこと、しかし親切にも病状がでていると思われる部品を交換してくれたのでした。さすがのVW ジャパンです。(しかしこんな小型車にツインクラッチというスペックもすごいと思いませんか?)
車を受け取りに行き、ピカピカに掃除されたわがPOLOに乗り込んでアクセルを踏んでみると今までジャダーを嫌って、いかに緊張しながらそっとアクセルを踏んでいたかがわかりました。
そんなに緊張しなくても気持ちのよいほどスムーズにギアが変速されていきます。
心なしか入院以前より1速2速間のシフトアップがスムーズに感じれます。
なによりも何のストレスもなくアクセルを踏めるのがこんなに楽とは思いませんでした。
この7速DSGは僕のような古くからのドライバーには乗るたびに新鮮な驚きを感じさせてくれます。
ともかくメーターで表示を見ていなければまったくわからないほどショックもなしに次々とシフトアップしていき、気が付くと時速50キロではもう6速に入っているのですから、今までの運転常識はたやすくひっくり返されてしまいます。
なんせ信号の少なく流れのよい道では街中でも7速まで入ってしまうのですから!
5速ギアが登場してそれが高価なオプションだった時代(コロナハードットップ1600GTがそうでした)を知るものとしては街中で6速、はては7速!まで入るのは驚き以外の何者でもないのです。
そのハイギャーで走ることを可能にしているのが、低速トルクに満ち溢れたエンジンです。
その昔3000回転以下に落とすとプラグがかぶるから、できるだけ3000以上を保って運転しろ、などといわれたことは遥か銀河の彼方、このPOLOでは回転計の針はほとんど1000回転を少し超えたあたりに張り付いて、たまに2000回転くらに上がるだけという、ほとんど常時アイドリングか!という状態です。(もちろん街中でのお話です)
そして加速するときの感じが滑らかでしっとりとしていて、けして軽がるしくないところもこの車が国産同クラスの車と大きく違うところです。
実は入院している間、知人の某1000ccクラスの国産車に乗せてもらったのですがその記憶が残っているだけにそのあまりの差に驚いたのです。
このPOLOが発売された時そのあまりの質感の高さに、POLOのレベルに追従するのを諦めた?という国産某メーカーの話を思い出します。
たった1200ccのエンジンですが、昔だったら高級スポーツカーのようなターボにインタークーラー付きというスペックにもかかわらず、そのほとんどが低速トルクの補強に使われているのでは?と思わせるほど低回転から力を出していきます。
一時期の3000回転以上から急に加速するようなドッカンターボはどこに行ってしまったのでしょう?
ターボ技術の進歩も目覚ましいものがあるようです。
そんな昔のことではなく、つい数年前を思い出してもPOLOの主力は1400ccでGTIは1600を積んでいたこと、そして今よりずっと車体が小さかったのです。
それががいまではVWの主力エンジンそのものが1200ccで大型の4WDやONE BOX、スポーツタイプの車種でも1400ccで済ませているのですからすごいものです。VWの新しい技術を取り込む早さには驚きます。
GOLFが主力エンジンとして使っている同じエンジンを、それよりふたまわり?も小さいPOLOに積んでいるのですから、オーバースペックといってもおかしくないはず。
ちょっと本気を出せばそれこそ昔だったらRSとかGTとかの名前がついていた車以上にスポーテイに走ることもできます。
もっとも最近はすっかり反応速度が低下した僕はもっぱら燃費メーターをにらみながらのエコノミー運転に終始しているのですけど。
この車を理解するためにはこの車ならではの一風変わった装置に言及するのが一番よい方法かもしれません。以前も書いたかもしれませんが、それはとてもへんてこりんな仕組みなのです。
最近かなり暗くなっても無灯火で走っている車が多いばかりか、完全に夜になっても無灯火で走っている車を時々見かけます。
まったく危ないなと腹が立ちます。車のライトは自分が見るだけでなく自分の車の存在を他者に知らせるという重要な役目があることにまったく気が付いていないのです。
しかし僕が不思議に思ったのはメーターパネルが暗くて見えない=ライトがついていないことに気が付くはず、ということなのです。
ところが先日夜歩いていると無灯火で走っている車がやってきたので、すれ違いざま歩道からちらっと車内を覗いてみると、メータパネルには立派に照明がともっているではありませんか!これでは周りが明るくければライトをつけていないのが解らない人もいるはずです。
しかしふりかえってみると僕が今まで乗ってきた車はすべてメーターパネルの照明とヘッドライトの点灯は連動していたのです。
今の国産車はライトを点灯していなくても暗くなるとメーターパネルだけは自動的に点灯するのでしょうか?(そうだとすると本末転倒ですが)
それとも昼間でもメーターパネルは見やすいように常時点灯されているのかも知れません。
そこで改めて思ったのがPOLOの賢さです。
POLOも昼間でもメーターパネルの照明は点灯しています。
ところが長いトンネルなどに入ると途中からだんだんとパネルが暗くなって照明が消えてしまうのです。
夕方も同じで、うす暗くなってくると光線の状態で点灯したり消えたりしながらも外が一定の暗さになると消えてしまいます。
そうなのです!ようするに【パネルのライトが消えたら自分でライトのスイッチ入れて点灯しなさい!】とさい促しているのです。
僕はもともと早めに点灯するタイプなので薄暗い雨の日でも自己防衛の意味でもライトをつけています。
最初はなんてへんな装置だろうと思ったのですが、最近増えている夜でも無点灯の車や夕暮れでもなかなか点灯しない車を見ていると、このシステムの賢さがよくわかるのです。
面白いのは教えはするけど、後は自己責任でやってね!というその態度です。
すべてオートマッチクにするのではなく警告だけはするからあとは任せるぞ!
という思想は機械文明と長く付き合ってきたヨーロッパならではという気がするのです。
たぶん同じような思想はPOLO全体に細部に渡ってしみこんでいるのではないでしょうか?
こんな小さな車にもかかわらず前席二つだけでなくサイドやスクリーンなど数個のエアーバックを装備していたりするのはもちろん、チャイルドシートを助手席に装着した時にエアバックが障害の原因になることもあるので、わざわざ助手席のエアーバックをカットするスイッチまで付いているという周到さを見ると、まだまだほかにもありそうです。
最近の車雑誌を読んでいると、VW系の記事ではUPが登場、続いてNEW GOLFが登場したためかPOLOの記事がほとんどないのが寂しいですが、知れば知るほど、というか走れば走るほど賢さがしみじみとわかってくる車、それがPOLOだと言えるでしょう。
少なくとも10万キロまでは乗っていたいと思います。
このエンジンはDOHCからコスト削減のためか、ただのOHCとなり、その分ターボでトルクをカバーしているのでDOHCよりは高回転が苦手なのかも知れませんね。
私の姪は、8年前のポロに乗っています。絶好調ですね。私の友人もGTIです。回りは、みなVWになりましたね。