アメリカ牛のステーキは美味しい!やっと熟成肉を食べてみた。(その一) |
魚と肉とどっちにするといわれれば間髪をいれずに肉と答える僕は、大の肉好きです!
とはいえ本来の肉食の人たちの感覚とは遠く離れたものがあることがわかったのは知人のイラン人の話を聞いてからです。
そのイラン人が子供の頃ことです仲間たちと山に遠足に行きました。
そのとき昼食用にふもとから生きた山羊をかついで昇り、山の上で山羊をさばいて焼いて食べてしまったそうです。これは日本人にはできません!
アメリカ人の子供が牧場で牛を見て【いつか食べてやるぞ!】といったりするのを聞くと、なんと野蛮な!と思うのですが、日本でも水族館で群れをなして泳いでいるアジの群れをみて、普通のおばさんが【あら美味しそう!】というそうですからどっちもどっちです。
ほんとの肉食人種にはお肉の新鮮さの基準みたいなものがあるんでしょうが、魚ほど肉の新鮮さにこだわっている様子はありません。
それどころか近頃新鮮な肉より熟成肉のほうが美味しいというではないですか!熟成肉を売り物にするレストランもどんどんできています。
いつの間に肉は熟成されるものになったのでしょう?
いままでだって高級なお肉屋さんには白いさらしでまかれたお肉が何日も鎮座していたではないですか?
お肉の場合は新鮮さより育ちとか部位のほうが大事でした。
魚の場合玄界灘とかどこそこの沖で取れたとか地域が細かく限定されているのですけど、お肉の場合はもっとおおざっぱで、和牛、アメリカ産、オーストラリア産、など国単位というおおらかさです。
もっとも高級な和牛となると、ただの和牛ではなく細かく地方が限定される場合もありますが、そんな高級肉はほとんど食べたことがないのでコメントは控えます!
しかしこのお肉の産地、なかでも大雑把にわけた和牛とアメリカ牛というのに僕は深いこだわりを感じるのです。
同じステーキという呼び名でも、この二つはまったく違う種類の食べ物ではないかとさえ思います。
そんなことを感じるようになったのは僕が何度かアメリカに行くようになってからでした。
そして今ではすっかりアメリカ牛のステーキのファンになってしまったのです。
脂がまんべんなく回っていて口の中でとろけるような霜降りの甘い和牛、和牛ほど柔らかくも甘くもないが、しっかりと肉そのもの味がするアメリカ牛。しかもさっぱりして軽い!たしかにこれは別の食べ物です。
一度米国で米国産松坂肉(こんなのがあるんですね!)のハンバーガーを食べたことがあるのですが、脂が強すぎて僕の想像するハンバーガーの味ではありませんでした。
(この写真のハンバーガーは違います!)
アメリカの食べ物がまずい!というのは偏見です。・・・と僕は思います。
といってもアメリカは広いです。なのでアメリカは美味しいというのもまた間違っているはず。
なんせカリフォルニア州だけでも日本の北海道から九州くらいの長さなのです。
確かに僕だってアトランタ、シカゴ、ダラス、フロリダやモンタナで美味しいものを食べた記憶はありません。
特に何を食べてもまずいのがフロリダでした。(ただし唯一サラソタの牡蠣と海老の蒸し物は除く)
不思議なのはサンドイッチ一つ取ってもデイズニーワールド、ユニバーサルスタジオ、シーワールドなどが申し合わせたように見事に味のレベルを揃えていることです。(わざとか思うほど?)
デイズニーワールドでは世界中の料理が揃っているエピコットセンターで3回、3カ国の料理を試したことがありますが、どうやったらこんな風に作れるのだろうというものでした。(この伝統はTDLにも十分に引き継がれていると思うのですけど!)
その広いアメリカで間違いなくおいしいものが食べられるのがサンフランシスコとその北に広がるベイエリアとNAPAをはじめとするワインの産地です。
同じサンドイッチ一つとってもフロリダとの落差には驚くばかりです。
(写真はおいしい朝食です!)
ソノマ郡のグレンエレンという、ほんとに小さな田舎町のスーパーマーケットでさえ美味しい生ハムとモッツァレラチーズのサンドイッチが食べられます。
ナパのお隣セントヘレナのスーパーで作ってもらったサンドイッチもショックを受けるほど美味しかったのです。(今はそのスーパーが無くなってしまったのが残念)
特にワインの産地であるここいらへん一帯はほんとに美味しい食べ物が多いのです。
このあたりを旅していている時に決まって行くステーキ屋さんが2軒ほどあります。
一つはチェーン店(カリフォルニアの北部だけに9店舗)のタホジョーズという店、ここは本店が名前の通りレイク・タホにあるそうですが僕がいくのはバッカビルの支店のほうです。
ワイルドライフをテーマにした山小屋風のインテリアで天井からカヌーがぶら下がったりしています。
けして高級店ではなく日本だったらファミレスクラスなのですが、ものすごく広いくて綺麗なお店です。同じ内装の店が東京にあったらこの3倍の料金は軽く取られるはず?
そうなのです。ここは美味しい上に安いのです!だからいつも台湾の海鮮料理屋のように人で溢れています。
最近のおしゃれなお店はアメリカでも日本並に量が少なくなっていますが、こういう昔風のお店は量が多いので一人分で二人が食べられます。(だから結果的にものすごく安くなるのですけど!)
ここの名物はちょっと燻製のようにいぶし焼きしてある?オリジナルステーキで、これがさっぱりして実に味わい深いのです。
忘れてはならないのが?セットで付いてくるサラダです。
この近辺(サンフランシスコを含む)で食べるサラダのレベルは明らかに日本より高いです。
というよりどうしてこういうサラダがなかなか日本で食べられないのか不思議なほど。
僕は定番のシーザースではなくベビースピナッチが好みなのですが、どこの店もオリーブオイルとワインビネガー主体のさっぱりしたドレシングに胡桃やクルトン、そしてたっぷりのブルーチーズが乗せらせれているのが定番です。
タホジョーズのステーキとセットのサラダもまったくそれで、日本のファミレスの味の濃いドレッシングをかけたサラダとはまるで別物です。
ステーキも香ばしくて美味しいのですが、外せないのがポークチョップです。
日本でまともなポークチョップを食べたのは銀座の千びき屋くらいしか記憶にないのですが、それともまた全然違う食べ物なのがアメリカのポークチョップという料理なのです。
そもそも豚の種類が違うのか?アメリカの豚は日本の牛くらい大きいと聞いたことがありますが本当でしょうか?
ステーキにしろポークチョップにしろ炭火のような強い火力で、かつ遠火でじっくりと焼いてあるためか実に香ばしくてもぱさつかずしっかりと肉の味がするのです。
そして余計な脂がすっかり落ちているので実にさっぱりしています。こんなにデカイの食べられるというのが不思議なほどすんなりお腹に収まってしまいます。
(下の写真はそのポークチャップですけど、これが2切れついて一人分で、値段が約20ドルなんですから夢みたい!)
食べ物の事を書いているとつい熱が入って余計なことばかり書いてしまいます。なかなか熟成肉までたどり着けません。というわけで続きは次回。