やっと熟成肉を食べて見た(そのニ)フラスカッテイとトランカスステーキハウス。 |
熟成肉を食べに行ったとき、あまりにそればっかりに気を取られて!カメラを忘れてしまったので今回の写真はまた本題とは関係ないものです。あらかじめ。
なぜか話が熟成肉からどんどんそれていっていますが、ポークも牛肉と優劣がつけられないほど美味しいので,肉と言えば牛肉ばかり頭に浮かぶというのはちょっとばっかりもったいない話しです。
タホジョーズと同じように美味しいポークチョップを食べさせてくれるのがサンフランシスコ市内にあるフラスカッテイというお店です。
窓の外をケーブルカーが走っているのが見えるとてもシンプルで魅了的な雰囲気なのですが、ここのポークチョップがまたうまい!何度でも食べに行きたくなる美味しさです。
あるとき日本からせっかく予約しておいて店まで行ったら室内の照明が暗いのでどうしたことかと思ったらこの辺り一帯が停電で食べ損なったことがあります。ものすごく残念でした(いまでも・・・)
フラスカッテイはお洒落な店なのでお値段はタホジョーズよりはだいぶ高いのですが、味はどちらも捨てがたいもので、共通しているのはステーキと同じくポークも軽いことです。
お皿に乗っているとズーンとでかく見えてとても食べられないと思うような肉の塊が、実際食べてみるとさっぱりしていてとても軽くて、さらっと食べられてしまいます。
どうしてこういう炭火でじっくり焼いたポークチョップが日本で食べられないのか不思議でなりません。(どこかで食べられるんでしょうかね?)
さてステーキに戻ります。
もう一つのステーキ屋さんがナパの定宿シルバラードカントリークラブから車で数分の街中にあるトランカス ステーキハウスというお店。
ものすごく地味な外観で通り過ぎてしまうほど目立たない店構えで、店名も目の前の通りの名前をそのままつけただけというそっけなさです。
お店に入るとまずバーがあり、そこに地元のおじさんが座ってTVでスポーツ観戦したり飲んだりしているという素朴な地元民のためのお店ですが、ここの炭火で焼かれたなんの変哲もないシンプルなステーキがまた美味しいのです。
シンプルな塩コショウだけの肉ですが美味しいさにつられて気が付くとぺろっと平らげてしまっているのが不思議です。
海外旅行に必ずおしょうゆを持っていって、特にステーキなどにかけて食べると最高!という人がいますが、アメリカ牛に限っては僕は反対です。
炭火でこんがりとじっくりと焼かれたアメリカ牛のステーキには塩と胡椒だけが一番ぴったりきます。いやこの組み合わせこそが黄金の組み合わせだと断言してしまいましょう!
(写真は団子坂付近の象が迎えてくれるお寺)
炭火で焼かれ塩と胡椒だけで味付けされたでっかいステーキはその見かけとは裏腹に食べるととても軽いのです。
そこが脂肪分の多い和牛との一番の違いかもしれません。
しかも想像とは違い歯のあまり丈夫でない僕でさえ、ぺろっと食べられるやわらかさなのです
わらじのような大きさの靴のように固いステーキを鬼のようなとがった歯で食いちぎるというアメリカのステーキのイメージはおおいに間違っているのです。(もちろんそんなとこもあるんでしょうけど!)
さてアメリカに旅してステーキの美味しさに目覚めたのですが、日本のレストランではステーキは高級品でそうおいそれと食べられるものではありません。
和牛のステーキ店などではおひとりさま数万円というのがざらのようですから恐ろしい。
その点日本で食べるのなら一番良心的で値段も安いのがアメリカフロリダに本社があるチェーン店の【OUTBUCK】です。
店名はオーストラリアの内部に広がる荒野のことです。店内もオーストラリア一色でカンガルーやコアラやカモノハシなどオーストラリアの動物の装飾でいっぱいです。
しかし実はここはオーストラリアの店ではなくアメリカのチェーン店なのです!(ややこしいですが、オージーのふりをしたアメリカ人といったところですか?)
(写真は浜離宮付近のビル街)
アメリカのチェーン店が日本に入ってくるときいつも期待するのですが、それはきまって失望に終わります。
ほとんどは日本だけの独自のメニューに変わってしまい、まったく別物になってしまうからです。日本料理が海外に渡ってまったく別物になっていしまっているのと良く似ています。
パンケーキの専門店のIHOPが日本に入ってきてもメニューにパンケーキは一種類しかなく、撤退する前にはうどん定食まである普通の日本風ファミレスになったしまったというのがその典型的な例です。
その点【アウト・バック】はインテリアをはじめ照明の暗さ(これが良い)食器の大きさや量、そして味までそっくりアメリカのまんま日本に持ってきたというアメリカ料理好きにはとっても有難いお店です。
米国にいる友人はあまりほめないのですが、日本でアメリカンスタイルの味と雰囲気とサービスをリーズナブルな料金(これが大事!)で楽しむには最適のレストランです!良心的きわまりない店と言っておきましょう。
たっぷりと注がれたコーヒーだって何杯もお代わりできるし、 確かにステーキはそれなりの美味しさですが、嬉しいのはステーキ以外の料理がなかなかいけることです。
たとえば下の写真のサーモンステーキ、かりっと香ばしく焼けたサーモンは美味しいですし、付け合わせもたっぷりです。お隣に写っている海老もパリッと焼けて香ばしくてなかなかです(共に味付けは基本塩と胡椒だけと言うシンプルさがGOOD)
ほかにも甘いソースのかかったスペアリブ(塩だけで焼いてもらうという我がままも聞いてもらえます)ブルーチーズのたっぷりと入ったステーキハウスサラダ(テンポラリーに存在していたBLTサラダは大好物でしたが無くなってしまったのが残念)もお勧めです。
というわけで【アメリカに行きたしと思えどもアメリカはあまりに遠し・・】と思える日には【OUTBUCK】に行って無聊をかこつのが常です。
さてやっと熟成肉までたどり着きました。
ここまでくるには随分と時間がかかりました。それも当然、熟成肉と名がつくだけで値段がポーンと跳ね上がるのですから!それを食べるのは僕にはほとんどイベントです。
まずアメリカからやってきた熟成肉の元祖といわれるのが【WOLFGANG‘S STEAK HOUSE】です。
一度そばに行ったのですが値段を見て前を素通りし、そのすぐ近くの同じ名前のカフェに入ってしまったのが大失敗。
名前は一緒でも系列違いというのは知っていましたが同じアメリカから来たお店だから安心と思ったのですがこれが間違い。メニューにあったカリカリベーコンはしなしなだったし、サービスも味もまったく一昔前の日本風でがっくり。これでアメリカの店を持ってきました、と名乗るのはおおきな誤解かなにかの間違いでしょう。
(東京駅付近の風景です)
いろいろ調べてみると熟成肉を食べさせてくれるお店の中で、リーズナブルな料金のお店をみつけました。それが【37 STEAK HOUSE& BAR】です。
ここは前述の有名店の約半額少々というお値段。しかも骨付きというのが有難い。(なんと言っても骨のそばの肉はすこぶる美味しいからです)
内装もなかなかカジュアルで気取っていないのがいかにもアメリカ風なので、アメリカから来た店かと思ったら日本オリジナルでした。
37といういわくありげな店名もどうやらたんにオーナーのラッキーNOらしいです?
しかしサラダやコーヒーの味(ほめてるんですよ!)、カジュアルな雰囲気、フレンドリーなサービスなどアメリカ直輸入の店よりもアメリカの店(しかも西海岸にあるような!)のようで、アメリカかぶれの僕は大いに喜んだのでした。
そして一番嬉しかったのがガンガンと燃えさかる大きな炭火のかまど?の上で肉が焼かれていたことでした。
肝心の熟成肉ですが骨付きのままこんがりと焼かれてきたものをテーブルで切り分けてくれます。二人前で650グラムですが骨を抜くと実質500グラム程度か?
そしてこれがやっぱり軽くて美味しいのです。
炭火と塩と胡椒と肉、このシンプルな組み合わせだからこそ味わえる幸福な時間というのが間違いなくそこにはありました。
どのくらい美味しかったかといえば、また近いうちに行ってしまいそうなほど!というくらいです。
しかしこのステーキに勝るとも劣らないものがタホジョーズに行けばその三分の一の値段で食べられのですから、なぜかため息が出ます。
そして最後に衝撃の事実?です。
今回アメリカ牛だと思って食べた熟成肉のステーキは表題とは裏腹に、なんとイギリス産だったのです! (まあ美味しかったからいいんですけど)
アメリカ牛だとなぜかもっと値段が高くなるもよう?やっぱりアメリカはまだまだ遠い国のようです。