残り時間2分間からの奇跡の大逆転ドラマ!アメフトはだんぜん面白い!スーパーボールへの道! |
最近のTVはつまらない番組ばかりという人が多い、その真偽のほどはともかくとして、どのチャンネルでも見た様な顔がワイワイガヤガヤと騒いでいるのがたいそう煩わしい。
お茶の間から見るTVだったのが、いつのまにかTVの中にお茶の間が移動したかのようだ。
そんなTV番組の中ではなんと言ってもスポーツ中継がだんぜん面白い!なかでもすっかりはまっているのがアメフトことアメリカンフットボール。
といわけで今回は僕が放送される全試合をかかさず見ているアメリカンフットボール(NFL)のお話です。
週3回放映され、しかも一試合3時間と長いので週9時間はこれを見ているわけで、他の番組など見る時間はほとんどありません。
とはいえアメフトのシーズンは短く9月に始まったと思ったら1月には終わってしまうので、あっという間に感じます。
試合数としてはもっとも少ない競技なのではないでしょう。それだけに各試合の凝縮感はものすごいものがあり、人間の能力の限界が一瞬に凝縮されているようなすごいプレーを沢山見ることができます。
というよりもはや人間とは思えない、まるでアンドロイドが戦っているような異様な迫力はアメフトならではのものです。
しかしこのアメフトというスポーツ、なんだかとっても難しい。放送されていたのを見ているうちにすっかりハマってしまったのですけど、未だに理解できない未知の領域があります。
とはいえ基本となるルールは実にシンプル、ボールを使って自分の陣地を広げて行き最後は敵の陣地に侵入すれば得点です。
その方法もボールを持ってひたすら走るか、一回だけ出来る前パスのたった二つだけなのですが、各部門が専門特化されているため実際にはこれが複雑きわまりないものとなっていることは確かです。
≪上の写真のコルベットですが、アニメ映画カーズの主役の車が映画の中で新たな装いのときに同じようなツートンの塗り分けで登場しました。その原型となっていると思うのですが?凝った映画でした!≫
3時間近い試合時間ですが、実際に選手がプレーしている時間は合計しても攻撃で10分、守備で10分程度というのですから驚き、選手の年俸を時間で割ればもっとも短い時間でとてつもない金額を取っているのがこのスポーツです。(ゴルフも実際に打つ瞬間だけを合計すると実に短くなるのですが・・・)
そればかりか攻撃側のラインの5人の選手はルール上ボールに触れることさえ出来きません。球技なのに試合中一度もボールに触れない選手が存在するという不思議さです。
試合中にヘルメットに装着してある無線で指示が飛び交うというのも他のスポーツでは見られないこと、しかもその指示を出す方も攻撃専門、守備専門のコーチ、全体を見るコーチ、さらには球場の上のガラスばりの席から全体を見渡して指示するコーチといったい何人いるのでしょう?その戦略の複雑さは常識を超えています。
攻撃でも守備でも選手はそのパターン(フォーメーション)をすべて覚えていなくてはなりません。
覚えなくてはならないプレーの数は一試合800~1000種類くらいあるそうです。その内200種類くらいをその試合のために用意して、実際に使われるのは7,80種類というのですから体だけでなく頭も相当使うことになります。ただやみくもに動いているだけではないのです。
しかも攻撃を組み立ててるクオーターバックは相手の守備の体型を見て、とっさにそれを破るため別のフォーメーションに変更したりするばかりか、予定していたパターンが崩れた場合とっさに対応したりもするのです。
100キロ近い、もしくは越える巨漢が全力で走ってくるのをヒラヒラとかわしながら、横目で空いてる選手を探しパスしたり、自分で走ったりするのですからクオーターバックの能力は人間というよりサイボーグです。
さて先週でプレーオフも終了し、残るは2月1日の決勝戦≪スーパーボール≫だけになりました。
今期の試合のなかでもっとも印象的だったのが、このスーパーボール出場を決める準決勝たるシアトル・シーホークスとグリーンベイ・パッカーズの試合でした。
後半残すところ3分52秒までは圧倒的にグリーンベイの圧勝でした。TVの解説者も≪ホームで強いシアトル神話もこれで崩れますね≫といった口調ですし、あきらめて帰り支度を始めるファンだっていそうな雰囲気だったのです。ところがここからだれも想像できなかったような奇跡の逆転劇が始まったのです。
アメフトはタッチダウンで6点そのあとのキックでゴールに入れると1点追加なので通常一度のタッチダウンで7点入ります。またフィールドゴールドといってキックで点を入れた場合は3点です。
この時点でグリンーベイが19点、シアトルが7点だったのでのこり3分でシアトルはタッチダウン一つとっただけでは負けです。
ここでふんばったシアトルは残り2分09秒でタッチダウンを決め19対14となります。しかしふつうならばここで相手に攻撃権が移るため相手が攻撃に時間をかけてしまえばこれで終わりです。
ところが試合時間が少ない時のアメフトの必殺技オンサイドキックというのがあります。
通常は相手に攻撃ボールを渡すときに深く蹴りこみそこから相手の攻撃が始まるのですが、これは味方が蹴ってからボールが10ヤード以上飛んだ時点で蹴ったチームが抑えることができれば再び攻撃できるというルールです。しかしこのオンサイドキック、成功の確率は20~25%くらいといわれておりきわめて成功率の低い賭けなのです。しかも失敗すると敵によい陣地からの攻撃を与えてしまうので危険でもあります。
シアトルが蹴ったボールは本来はブロックに回るべきグリーンベイの選手の手をはじいてまんまと駆け込んだシアトルの選手がキャッチしてしまいます。ここでシアトルは再び攻撃権を手にいれたのです。このボールをはじいた選手はこのまま負けてしまうと一生このプレイを思い出しては後悔することになるくらいのショックです。
シアトルはこの攻撃を今までとは見違えるような鮮やかなな攻撃でタッチダウンに結び付けます。
これでふつうなら7点の追加で19対21と逆転にはなるのですが、ここですごいのはシアトルのハーボーコーチです。
追加の1点ではなくリスクを覚悟で再びタッチダウンすることにより2点追加できるツーポイントコンバージョンを狙わせるのです。というのもこの後1分少々相手の攻撃の時間があるため、もし相手がその時間内にフィールドゴールを決めると3点入り1点差で負けてしまう可能性があるからです。
強烈な突進にどんどん追い込まれたシアトルのクオーターバックのラッセルウイルソンは相手デイフェンスにつかまったと思ったその瞬間にやっとパスを投げ、それが見事に通って2点追加、19対22とします。
これは大きな賭けでしたが、これがこの後に大きな意味を持ってくるのです。
99%勝利を確信していたグリーンベイですが、さすがQBのアーロン・ロジャース、ここでがっくりすることも無く、こちらも目の覚めるような早い攻撃で残り時間数秒のところでぎりぎりフィールドゴールドを決めるのです。
これで22対22の同点になり延長戦に突入です。
シアトルのオンサイドキックの成功、ツーポイントのパスの成功、という勝負の女神のきまぐれも味方し試合終了ぎりぎりでふり出しに戻ったのです。
延長戦は先にどちらかがタッチダウンを取った時に終わります。コイントスでシアトルの専攻となります。
シアトルはこれまた鮮やかな攻撃であっという間にタッチダウンして勝負あり!息もつかせぬ試合でした。
その最後のタッチダウンパスを取ったのが、それまで何度も自分のパスを敵に取られていた選手だったのですからこれもまるでドラマのような感動的展開。
QBのラッセルウイルソンはその後ベンチで大泣きしていました。プロのNFLクオーターバックがまるで高校野球の選手のように泣くのは珍しいことです。
というわけですが、文章でスポーツの面白さを説明するのがいかに難しいか痛感しているところです。
簡単に言いますと、わずか2分少々の間にこれだけのドラマが詰まっているアメフトはこの文章とは違ってすごーく面白いと言う事です!
そして残すは2月1日、このゲームの勝者シアトルシーホークスとアメフト一のベテラン美男子QBトム・ブレデイ率いるニューイングランド ペイトリオッツの対決【スーパーボール】を待つだけとなりました。
この試合が終わるといつもあっと言う間にシーズンが終わってしまったな、と時の流れの速さを実感して深くため息をつくのです。
今回の写真はアメフトにちなんですべてMADE IN USAの車です。バイクは復活したインデイアン、車はサンダーバード、コルベット、ムスタングといずれも60年代のものです。
特にこの67年型のムスタングは映画ブリットでマックイーンが乗ったものと同型だと思いますが、あの映画のまさに主役とも思える車でした!アメリカの車はやっぱりアメリカの雰囲気がありますね!
オーディオ関係のブログをウロウロしてるうちに辿り着きました。
オーディオと車、バイク、カメラといったブログはよく有りますが、アメフトの記事があるのにビックリ。思わずコメしました。
本当にあの試合は面白かったです。ファンブルした選手とスペシャルチームのコーチはクビになっちゃいましたね~。
今シーズンも始まりましたが、又、記事をあげて下さい。
ひとつ、勘違いの訂正を。スーパーボールではなくてスーパーボウルです。つまり、ballではなくbowl(サラダボウルとかのボウル)ですね。スタジアムの形がすり鉢状のとこからきてます。
ご存知の上でしたら失礼しました。
又、コメントすると思いますのでよろしくお願いします。
驚きました!
スーパーボウル、そうでしたか!てっきりスーパーボールだと思ってました。さすがアメリカ洒落がきいてますね。