衣張山に山桜を見に行こうと思っていたら、すっかり時期を逃してしまいました |
(衣張山頂上の写真です)
染井吉野の妖艶さに較べると山あいの新緑の間にちらちらと薄いピンクの花が浮かんでいるのは実に清純な風情があります。
衣張山の山桜がいいよ!と知人に教えてもらったのでぜひ行こうと思っていたのですが、なんだか野暮用でばたばたしていたり、雨の天気が多かったりして気がついたらもうすっかり山桜も散ってしまうほど季節が進んでいました。
それでもジムで知り合った鎌倉のお寺に詳しいKさんと前から約束していたので、久しぶりに青空の出た木曜日に鎌倉駅駅で待ち合わせました。
衣張山ハイキングコースは鎌倉市が作っている観光地図にはなぜか掲載されておらず、Kさんもなぜか一度も行ったことがないそうです。
相変わらず鎌倉駅は人が多く平日の朝だというのに繁華街のように賑わっています。
街の盛り場と違うのは年よりばっかりのところで、この日は80%がおじーさん、残りの20%がおばーさんという構成でした?
自分はまるで関係ないような風を装っていたのですが、知らない人が見たら我々二人も100%その中のじじい二人組にしか見えないことは間違いありません。
杉本寺は藁ぶき屋根の雰囲気の良いお寺です。その前を通り過ぎて細い滑川を渡ると平成巡礼道という道に出ます。不思議なネーミングです。
昔からある道なのに平成?巡礼道なのに到達点にはお寺はありません?(ここが昇り口です。)
かなりの急こう配の本格的な山道は前日まで降り続いた雨のためかなりぬかるんでいます。
途中昔の石切り場の跡地なども見ることが出来ます。こんな場所で石を削り出すのもすごいですが、いったいその石をどうやって運んだのでしょう。
やっぱり担いでこの険しい道を降りたのでしょうが大変な労力です。
(途中にあったまるでアニメ映画のような石仏?)
30分ほど本格的な山道を登り衣張山の頂上に出ると視界が一気に開けます。
眼下に鎌倉の街が広がり遠く由比が浜には白い波が打ち寄せています。その先の稲村が先の半島の上にぽかっと飛び出ているのが江の島です。こうやって見ると江の島の高さには驚きます。
下から見ているとそれほど高くは見えないのですが、山の上から見ると、すごい勢いで海から上に向かって突き出ているのが良くわかります。
右手には大船観音の姿も見えます。天気は良かったのですが薄い雲がかかっていて富士山は見えませんでした。
ちょうど頂上には大きな桜の木がありますが、すべての花は地上に落ちてしまっていました。
しばらくぼーっとしているとジョッギングスタイルの若い男たちが数人駆け上ってきました。
ハイキングコースに来ると必ずこういう本格的ランニングスタイルで山を走っている人がいるので世間では相当これが流行っているのでしょう。
どうやら鎌倉駅から走ってきた様子。聞くとはなしに話がもれてきたのですが、このうちの一人の小学生の息子が昨年の夏休みの自由研究で一人箱根駅伝をやった(やらした?)とのこと。この父親も一緒に100数キロを一緒に走って写真を撮ったのに褒められるのは息子ばかりで、だれも自分をほめてくれないと言っていました。(やっぱり!)3年生の時には山手線をすべて走ったそうです。
なるほど世の中にはほんとにいろんな趣味の人がいるものです。息子さんのほうはそれなりに大変でしょうけどね・・・。
(頂上で合った山をランニングする人たち。)
ここから浅間山を経由して鎌倉ハイランドという住宅地に沿って良く整備された道を鎌倉こども自然ふれあいの森にあるパノラマ展望台というそのものズバリの名前の展望台を目指します。結構急な登りを登りきると人が二人くれば満員になるくらいの小さな広場に出ます。
まわりは360開けていてそこに二人掛けのベンチが一つ置いてあります。ここが名前通りのパノラマ台です。
先客もいなかったので二人で弁当を広げてゆっくり昼食を取りました。のんびりとしてなかなか良い場所でした。前日までのうすら寒いお天気とはうって変って汗ばむほどの陽気でした。
(お弁当を食べたパノラマ台のベンチ。ここは僕が良くコロッケとパンを食べる葉山の公園と良く雰囲気が似ていると思いました。)
お弁当の最中にKさんがまるで玉手箱のようにジュースやお菓子やはては戦う乳酸菌入りのヨーグルトまでどんどんとリュックから取り出してきたので驚きました。
実は今回のコースは僕が案内することになっていたのですが、再三のメールのやりとりの中で僕がいかに頼りにならないかという事が判明したのでもし遭難?した場合、食糧が必要だろうと計画的なKさんはたっぷりの食糧を持参してきていたのです。
それがもう必要なさそうなのでそこでどんどんと放出したというわけです。
さすがKさんです。僕のいい加減さを良く理解していると言えましょう。
もっともちょっと歩くとすぐ住宅地の裏に出てしまうような鎌倉のハイキングコースではまず遭難することはないでしょうが!
(大船軒で購入した助六寿司。なぜか助六寿司には目が無いのです)
ここから同じ道を少し戻ると住宅地の横から巡礼古道があります。
ここに行くまで住宅地の裏側を通りますが良く整備されていてとても気持ちの良い道です。
巡礼古道は行きの平成巡礼道と同じく、こちらも巡礼という名前がつきながら下から登ってきてもお寺があるわけでないのでなにが巡礼なのかとても不思議な道です。
パノラマ台から巡礼古道ヘ行く途中にある富士山が良く見えるという場所です。
また巡礼古道を降りる前には大きな広場があり、ヤンママが団体でお弁当をひろげ、子供たちが走り回っていました。
下りの巡礼古道も結構険しい急こう配の山道ですが、距離が短いのであっと言う間に下界に降りてしまいます。巡礼古道の入り口です。
下りの途中に崖の石を切り開き仏像が彫ってある場所があります。
だれがどんな目的で掘ったのか、解説がないので不明ですが、なかなかの労作です。
ちょうど降り切ったところでこの険しい山道を登ろうとするカップルに出会いました。ハイキングというより街中の服装です。【どちらに行こうとしているんですか?道も悪いし結構きつい登りですよ!】と親切なKさんが心配して声をかけました。
(こういう本格的な山の景色の中の道です)
その結果、このカップルは有名な近所のお寺に行こうとしていることが判明し、ここではないですよと教えあげたのでした。それにしてもこの道はよほど目立たない道なので、その有名なお寺に行く途中に迷って入り込むにはそうとう特別な方向感覚を持っていると想像されます。ほんとに世の中にはいろんな才能を持った人がいるものです。人のことはまったく言えませんが・・・。
そのお寺の反対方向にこじゃれたリゾートホテルのような西洋館があります。【旧華頂宮邸】です。
もちろんここはリゾートホテルなどではなく、やんごとなき方の元邸宅だった場所です。
特定の日にしか館内は公開していないようですが、入り口のまわりにはおじーさんおばーさんたちがずらーっと取り囲んで座って休憩していました。良くある鎌倉の風景といえるでしょう。
ここからバスに乗って鎌倉まで戻ったのですが、そのバスの混んでいる事には驚きました。
鎌倉駅につくとKさんと僕はジム帰りにKさんが良く立ち寄ると言う某チェーン店のカフェでカプチーノの飲みながら【なかなか適度なコースだったね、景色も良いし来年は山桜の咲いている時にこようねと】と感想を述べ合ったのでした。
(旧華頂宮邸の庭の新緑)
私も、助六寿司に目がありません。遠い日の遠足の思い出なんでしょうか?母親の海苔巻きは、太巻きでしたが、、、。
お弁当を外で食べるっていうのもたまにはいいもんですね。