GWの拾い物いくつか。丸の内中通りのベンチでゆったり。 |
あっという間にGWが過ぎ去り気がつくともう5月も半ばを過ぎ、梅雨の季節もまじかに迫ってきています。
まばゆいばかりの新緑に爽やかな風が吹くこの素晴らしい季節も一瞬に去って行くことでしょう。そんなつい昨日のような気がするGWのいくつかの拾いものをここに書いておくことにしましょう。何と言ってもすぐに忘れてしまいそうなものですから!
まず拾いものといえば先日も書いたSEEVEESのスニーカーを70%オフで手に入れたこと(せこい!)ほかにもこれは掘り出し物だと思ったのが、ヨハンナ・マルツイのシューベルトのヴァイオリンとピアノのための作品、テスタメントレーベルの2枚組が何と半額で1300円です。これは演奏も素晴らしい。一緒に300円で買ったエデイット・ピピトという僕はまったく知らないピアニストによるシューベルトのピアノ・ソナタ21番、カメラータ・トウキヨウの盤ですが、こちらもなかなかの拾いものでした
室内楽は交響曲に較べると人気が無いのか、こういう優れたCDが中古レコード店をふらふらしていると安く見つかるのがとってもありがたいです。
近頃オークションでは昔の一部のCD(特に交響曲)がやたら高価な金額で取引されているようですけど、その波が室内楽に来ないのを祈るばかりです。
オークションといえば、同じくシューベルトのヴィオリン曲を集めたクレーメルの4枚組のボックスも1400円で手に入れることができました。
これを聞いてみると特にピアノの違いが大きく感じられ、幻想曲でのピアノなどまるで違う曲かと思うほど違って聞こえるのが面白いです。
3枚目のバイオリンとオーケストラによるとってもマイナーな曲を聴いていると、良く知っている曲が出てきました。なんでこんなマイナーな曲まで知っていたんだ、さすが!と自画自賛しながら良く考えてみたら、同じクレーメルのアルバムで【死の淵から】という現代音楽を中心に集めたアルバムに入っていた曲と同じでした。(D89 FIVE MINUETS)
これは好きで良く聞いていたアルバムだったので知っていても当たり前です。
こんなマイナーな曲はクレーメル以外は録音していないはずです。とはいえマイナーな曲とは思えない美しい曲で僕は大好きです。
こうやって振り返ってみると最近買っているCDはすべて1500円以下ではないですか、それで2枚組とか4枚組なんですからなんとも安いです。おかげで軽いふところでも好きな曲の演奏を手軽に較べて聞いてみることができます。
GWで音楽といえばラ・フォールジュルネ(熱狂の日)です。もともとフランスのナントで開かれた気楽で誰もが楽しめる音楽祭を日本にもってきたものですが、2005年にはじまって去年まで640万人もの観客を集めたというのですから近年の集客力ははるかにナントを超えているはず、さすが東京です。
最初の2,3回は熱心に通っていたのですが、その後こんなに沢山クラシック音楽のファンがどこから湧いてきたのだろうというくらいの混雑ぶりに加えて、なかなか好みのチケットを取るのが難しくなってきたのでしばらくご無沙汰していました。
それでも去年は前日にチケットを買ってメンデルスゾーンの弦楽五重奏曲などというあまり聞く機会の少ない曲を聴いたりしました。
今年も数日前にチェックしてみるとバッハのカンタータをはじめなかなか渋い出し物がたくさんあります。その中で時間の都合のよさそうなもののなかから
バッハの【ミサ曲ト短調】とヘンデルの【主は言われた HMV232】というこれまた中々聞く機会の少なそうな演目があり残席もあったので行ってみることにしました。
クラシックを聴き始めたころまず一番初めに好きになったのがヘンデルです。オペラとかオラトリオとかトリオ・ソナタとかいろいろ集めてみましたが聞いているうちに音感の悪い僕にはどれもが同じように聞こえるようになってしまいあまり聞かなくなってしまいました。
今でも聞くアルバムはグルミヨー演奏のバイオリンソナタとルネ・フレミングとナタリーデッセイが歌ったオペラ【アルチーナ】くらいです。
もちろん有名な【メサイア】は別で、こちらは生演奏も数回行きました。長い曲なのに長さを感じさせない面白い曲です。ヘンデルの曲の生演奏となるとこの【メサイア】以外はほとんど聞く機会がなく、これ以外は僕もオペラ(リナルド)を一度みたことがあるくらいです。
今回の演奏は定評のあるローザンヌ声楽・器楽アンサンブルです。といえば指揮はミッシェル・コルボかと思えば、今回はその弟子ともいえるダニエル・ロイスという人でした。
というのもコルボはこのラフォール・ジュルネには良く出演していて、僕も彼の指揮でフォーレのレクエイムとバッハのマタイ受難曲を聴いたことがあったからです。
20人もいないオーケストラに較べて40人くらいがずらっと並んで歌う合唱はさすがに迫力があります。
バッハのミサ曲はいかにもバッハらしい重厚な雰囲気のもので、特にオーボエと掛け合いの独唱が印象的でした。
それに比べるとヘンデルが若い時に作ったといわれるこの【デイキシット・ドミヌス】はえらく活発で迫力のある曲でした。並べて聞くと違いが本当によくわかります。サービス精神がたっぷりのヘンデルの音楽は今聞いてもとても聞きごたえのある楽しいものでした。
聴き終わるとすぐに人ゴミを避けて中通りのほうに移動です。
有楽町界隈で好きなのは何本か通りを皇居側に入った並木道のある通りです。(ここが中通りです)
ここらあたりのビルには昔は航空会社が軒を連ねて入っていたので僕も仕事の関係からよくこの周辺をふらふらしていたのでいまでも懐かしく感じる場所です。
昔米系の航空会社が入っていたビルにはLAからやってきたカジュアルファッションのJAMES PERSEが入っていたので覗いて見ると、何人かいる店員が全員揃ってイタリア製のGGDBのスニーカーをはいていたのが面白かったです。今このスニーカーはやっぱり売り出し中のようです。
GWといえどもここまで来るとがらっと人の数は減ります。歩道につるされている花かごなど昔初めてカナダのビクトリアで見て感心したものですが、それが今ではこの通りにもあるのですから世の中変わったものです。
5月の爽やかな風を感じながら並木の間においてあるベンチで買ってきたコーヒーなどを飲んでいるとまるでここが東京?と思えるほどのんびりした雰囲気に浸ることができます。
東京駅の丸の内もなかなか見どころの沢山ある場所です。駅を囲むビル群は新しい物だけでなく古い建物をそのまま残したり、新しい丸ビルなども昔の雰囲気を残すようなデザインになっておりこの付近一帯がデザインされた空間になっているのが気に入っています。
何年か前(何十年?)から三菱地所がこの中通りあたりから丸ビル周辺までの再開発を行ったのですが、さすが三菱、スペースの取り方が鷹揚です。いまの都会で道の歩道に座ってゆっくり出来る場所があるなんてとってもすごいことだと思います。
丸の内のランドマークとなった東京駅にあるステーションギャラリーもなかなか面白い空間です。
今回の展示は富山美術館のコレクションを展示した20世紀の美術の流れをたどるもので、なかなか興味深いものでしたが、それよりもここを訪れるといつも感心してしまうのが古い建物をそのまま残した内部空間です。
煉瓦むき出しの壁がいたるところに見られたり、階段部分にも昔の照明器具が残っていたりと、よくここまでうまく昔のものを残しながらギャラリーに作りかえたものです。特に最後の展示室は煉瓦がむき出しの壁に絵が飾られ、一種独特の雰囲気を作り出していてその雰囲気がとても好きです。
展示室から出ると駅内部を見下ろせる回廊になっておりここから見下ろす眺めも駅とは思えない雰囲気があります。(下の写真がそれです)
というわけでいつもなんだかんだとせわしいうちに終わってしまうGWです。