カリフォルニアのNAPAで聞いたいくつかのコンサート。 |
NAPAに何回くらい行ったの?と質問されると沢山としか答えられない。正確に数えたことがないからです。
だいたいで言うと50回くらい?・・・少なくとも40回くらいは行っているはず?しかも仕事ではなく遊びで行っているのですからそのお金をためておけば相当な金額になっているはず。
もったいない!でもそれ以上かどうかわからないけれど、そこでそれに相当するくらいの素晴らしい時間を過ごしたことは確かです。
そのナパで何をしていたのかと言うとまずはゴルフ、後は買い物したり、ハイキングしたり、散歩したり、プールにはいった、飲んだり食べたりするくらいで特別にこれと言った事をしたわけでもなく、ひたすらのんびりしていたのです。
行き始めたころは随分とワイナリーめぐりもしましたが、もともとアルコールが駄目な体質なのでちょっぴり舐めてみるだけ、それでも車で100メートル走ると明らかに味が違うのに驚きました。その頃はまだ無料でテイステイングさせてくれるワイナリーも多く、訪れる人も少なくどこのワイナリーものんびりしていました。
その後訪れるたびにどこかに新しいワイナリーが建設中で、その数は今ではその頃の倍近くになっているのではと思えるほどです。
風が心地よく太陽の光の溢れた良い季節にワイナリーを訪れブドウ畑をぼーっと見ていると、それはまるで昔どこの本で見た天国の風景のように思えたのでした。
僕がここを何度も訪れることになったのは、その乾いて爽やかな空気と溢れるばかりの光、そして広々した風景がすっかり気に入ってしまったからです。
NAPAやSONOMAそしてそこから太平洋に至る地域には沢山のワイナリーが広がっています。
国道101をこの辺りでは大きな町サンタローザを過ぎて、小さくてお洒落な街ヒールズバーグも通り越してなおもしばらく行った左側の丘の上に立派なワイナリーがあります。
初めてここを訪れた時は【ロッソ&ビアンコ】という名前のワイナリーでした。立派な建物の中にはワイン畑を見降ろす開放的なれレストランがあり手軽なイタリア料理を食べることが出来ました。
その後何度目かにここを訪れた時には工事中で名前が【フランシス・コッポラ】に変わっていました。
もちろんゴッドファーザーで有名なあの映画監督です。彼のワイナリーはNAPAにもあり、古めかしい立派な建物の中には彼の映画に使われた大道具や小道具が展示されていて映画博物館にもなってるという面白いところです。
残念ながら工事中の時は入ることが出来なかったのですが、それからまたしばらくして訪れてみるとまだ工事中でしたが一部営業しており、裏に回って見ると建物の奥がワインのテイステイングと軽食を販売しているカウンターになっていました。
そこで水とワインとピザを買って、外のベンチに座って広がるぶどう畑を見ながらのんびりとお昼を食べる事ができました。今では改築も終わりすっかり違った雰囲気になっているのでしょう。もう一度訪れてみたい場所です。
NAPAではいくつかのコンサートにも行きました。行き始めた頃には事情が良くわからず、まずNAPAミュージックフェステイバルという野外コンサートに行ってみたのですが、これがまたローカルなものでした。
場所はNAPAのダウンタウンからさほど遠くない公園、といってもかなり田舎の山の中といった感じの場所です。来ているのはすべて近所の人ばかり!もちろん東洋人の姿なんてまったくないのはもちろん観光客らしい姿も見えません。
出し物は聞いたことの無いカントリーの歌手がゲストでそれ以外は高校のコーラスグループなどをはじめすべて地元の人たちでなんだか村祭り音楽大会といった感じでした。
ローカルといえばSONOMAで出会った夏のお祭りもすごかった。これは雰囲気もなにもかもまったく日本の村祭りそのままといった感じで、食べ物の出店が並びメイン会場では若者による枕の投げ合いのコンテストが行われ、中学生高校生くらいの若者が闊歩して会場中熱気がむんむんしていました。
なるほど田舎のお祭りはアメリカでも田舎っぽいことに妙に納得したものです。
ローカルの催しものといえばあるワイナリーのクリスマスの催しがありました。これはNAPAにあるブランデーも造っているという石造りの立派なワイナリーでのこと。てっきりクリスマスの音楽コンサートだと思って出かけていったのですが、なんとそれはクリスマスのお話の会だったのです!
地元の有名な人が毎年クリスマスに行っているお話の集いといったところで、近所の子連れの人たちが沢山集まっています。声の良く響く広いワインの醸造所の中で鐘やさまざまな道具で音を出しながらのお話は英語がもっと堪能なら楽しめたことでしょう!
お話し会が終わるとそのワイナリーで作られたブランデーがはいったエッグノッグが振る舞われます。地元の人たちにまじってのんだエッグノッグと星空は寒さを吹き飛ばすような良い思い出でした。
クリスマスのコンサートといえばテイルソントーマス指揮、サンフランシスコ交響楽団のクリスマスコンサートにも行ったことがあります。たっぷりとクリスマスの音楽が楽しめると思ったら、この催し、メインは観客と一緒に歌うと言うものだったのです。ほとんど全曲会場とオーケストラが一緒になって歌うというアメリカならではの参加型のコンサートでこちらもローカル色いっぱいでした。
ナパでの本格的なコンサートといえばロバートモンダヴィのワイナリーの庭のコンサートと、ヒールズバーグの街をあげてのJAZZフェステイバルが思い出深いのですが、これについては以前にこのブログに書いたので今回は割愛しましょう。他にナパでの本格的なコンサートで思い出深いのはナパのダウンタウンにあるオペラハウスというで聞いたJAZZコンサートです。
このオペラハウスという名前の劇場が実に面白くて、最初これに見合うような建物をさがしてうろうろしてしまいましたが、名前から想像するような建物ではなくまさしく西部劇に出てく酒場と劇場が一緒になったようなこじんまりとした劇場でした。来ている観客も地元の人ばかりでもちろん観光客など皆無です。
このコンサートは【レイ・ブラウン・トリュビュート】という題で、有名なベーシストレイ・ブラウンが亡くなってまだそう月日もたっていない頃だったと思います。(そういえば亡くなる少し前に日本のブルーノートでレイ・ブラウンの演奏を聞いておいて良かったと思います)出演はジェフリー・キーザーのピアノとベースが思い出せないのですがたぶんリチャード・デイヴィスではなかったかと思います・・。会場も小さかったせいかとても熱気のある素晴らしい演奏でした。
この演奏があまりに良かったのでその何年か後に、ジェフリーキーザー(奥さんが日本人なんですね!)が来日したときにライブハウスで聞きましたがまったく印象に残らない演奏だったのは残念でした。
他にも通りかかったワイナリーの庭でやっていたJAZZとか、いろいろと聞いたのですが、乾いた風が冷しいカリフォルニアでは夏の野外コンサートがとても気持ちが良いのです。
演奏の良し悪しは別としても野外で聞く生の演奏は屋内のコンサートとはまた別の魅力があるようです。こうやって蒸し暑い日本の夏のさ中に、乾いたカリフォルニアの風景と風を思い浮かべて、また行きたいものだなと思うのでした。