極上のエンターテーメント!小曽根真とゲイリーバートンのスペシャル・コンサート。(その2) |
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2017年 06月 17日
客席はぎっちり満員です。面白いのは開演前の会場の雰囲気の違いです。 クラシックの室内楽なんかだと、どことなく会場全体にぴりっとした緊張感が漂っているのですが、今回はざわざわっとしているだけでなく、どことなく【わくわく感】のようなものが会場全体に漂っているのです。 その会場が一瞬湧いたのは二人が後ろのドアから入場してきたからです。 盛大な拍手を浴びて手を振ったり握手しながら階段をステージまでいっきに駆け抜ける姿はまるでアメリカンフットボールの入場のようなハデさです。 さすがサービス精神が旺盛な関西人?入場からして盛り上がります。 のっけからのりの良い派手な演奏が始まります。 僕には初期のジャズのラグタイム風のピアノのように聞こえましたが?チック・コリアの曲だそうです。 続いてゲーリーバ―トンの仲間だったギターの名手ジョン・スコフィールドやベーシストの作った曲と続きます。 流れるように流暢なヴィブラフォンーンと激流のようなピアノがぐいぐいと盛り上げます。曲の間の小曽根のおしゃべりもさすがに上手で会場をすっかりその気?にさせてしまいます。 そして次は一転して、アルゼンチンタンゴをクラシック音楽の世界に引き上げたビアソラの曲です。 クレーメルのヴァイオリンでビアソラに親しんでいる僕にはとても嬉しい選曲です。 ここまで派手で見せ場の多い曲が続きましたが続いては小曽根がビル・エバンスにささげたという曲です。なるほど出だしはエバンス風に端正なメロデイではじまるなかなか良い曲です。 前半を聞いての印象は意外にも随分とトラデイショナルだなというものでした。 目を見張るような見事な二人の速弾きですが、出てくる音楽は現代的というよりはその音色も含めて昔風に感じたのです。 と偉そうな感想を書きましたが、信用してはいけません。なんせ僕はチック・コリアとハービー・ハンコックの名盤【リターン・トゥ・フォーエヴァー】と【処女航海】の良さがさっぱり理解できないのですから! さらに小曽根真が若い頃、他のピアニストに目をくれずに、いちずに目指していたというオスカー・ピーターソンも実は苦手なのですから、なにをか言わんやです。 そんな僕この二人の音楽を語る資格はないというのがもっともなところです。 といいながらも休憩も終わりステージは二幕目へ突入します。 いきなり始まったのがモーリス・ラベル作曲のクープランの墓だったのですから驚きました。 随分と馴染のある曲で、クラシックファンの僕としては喜びます。ラベルらしさを十分に残した演奏でした。 さらに驚いたのがその次の曲です。バロックの作曲家スカラッテイのピアノ(チェンバロ)ソナタなのです。バッハはジャズでも良く演奏されるのですが、スカラッテイとはびっくりです。 こういうのを聞くとすっかり安心してしまって、やっぱり僕はバロック音楽が好きなのだなというのが解りました。 本来はチェンバロで演奏される曲なのですが、ヴィヴラフォーンの音色がこういう曲に似合うのも意外な発見でした。 そして次の曲はゲイリーが弦楽四重奏団と演奏したアルバムのために作ったこれまたクラシック風の曲でした。なかなか良い演奏でそんなアルバムがあるんだったら聞いてみたいなと思ったのでした。 ここで雰囲気は一転して現代的な曲【ブラジリア】になります。まるでマイケル・ナイマンを思い起こすような現代音楽風の曲です。 今回のコンサートで僕が一番気に入ったのはこの演奏かもしれません。(作曲はチック・コリアだそうです) 一曲づつ二人のソロの演奏をはさんで最後の曲は小曽根の作曲した曲でした。なかなか良い曲なのですけど聞いていて何かを思い出すと思ったらキース・ジャレットの70年代のアルバム(マイソング)なのでした。 途中盛り上がっていくところなど、その中の一曲カントリーそっくりの雰囲気ではないですか!(これまた僕のあてずっぽな感想ですけど!) そしてアンコールはこのコンサートで初めてのブルース曲の演奏ということでした。 僕には前半のジョンスコフィールドの作った曲がブルースみたいに聞こえたので意外に思いました。 ここでも僕の理解力の無さが露呈してしまったというわけです。とまれ理解力云々は置いておくとして、このバラエテイに富んだ選曲を見ただけでも観客を飽きさせない工夫がしてあるのがわかります。そして前半の意外にも古さを感じた演奏は、後半では見事に現代的になっていたのも考えられた演出かも知れません。その上にテクニック抜群の二人です。 聞きどころ満載でチック・コレアの良さを理解できない僕でも、すごく楽しめたコンサートでした。 そしてスタンデイングオベーションと拍手の鳴りやまぬなか、二人は再び舞台を降りて前列の観客全員と握手、さらに場を盛り上げたのでした。 いいな!こういうサービス精神溢れる雰囲気! 「なかなか楽しい良いコンサートだったね、来てよかったと」話しながら帰途についたのですが、それでは小曽根がどういうタイプのピアニストかというと、相変わらずよく解りません。 確かに何でも演奏できる凄腕のピアニストであることは間違いないのですが、あまりのサービス精神の良さについ出来る事をすべてやってしまうし、また何でも出来てしまうと言う器用さがその原因かも知れません。(ふと同じくなんでもできるウイントン・マリサリスの事を思い出してしまいました。) とはいえ、理屈抜きでライブならではの楽しさを十分に味あわせてくれた極上のエンターテメントでした。
by omoshiro-zukin
| 2017-06-17 23:22
| おもしろコンサート・ライブ
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