運慶はボデイビルダーだった??ふらっと沢文庫に行ってみました。 |
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2018年 02月 06日
日本画に興味を持ち出したので、仏像にもちょっと興味が湧いてきました。
とはいえこちらも日本画以上に知識がないので、なにもわからずに、ただ眺めて、うーんと感心するだけです。 それではいけないと、多少本など読んでみたのですのが、難しくて日本画以上に頭にはいってきません。 (今回の写真は金沢文庫の称名寺のです) 沢山並んでいる仏像をきちんと見たのは、コンサートとのついでによった【平安の秘仏 滋賀 擽野寺(らくやじ)の大観音とみほとけたち】という展示だけでした。 随分と上品で品格のある独特のみほとけたちだと感じたのですが、この地方独特のものだったらしく、どちらかというと仏像の中でも珍しいタイプのものだったらしいです。 さて今回はふと思い立って以前から日本美術好きのBTさんが良く行くという金沢文庫まで行ってみることにしました。 横浜から横須賀に至る国道16号線は学生時代から馴染の深い道なので、金沢八景とか金沢文庫などは実に馴染の深い地名です。 にもかかわらず金沢文庫そのものが、どこにあるのか今までまったく知らずにいたのです。 現在の特別展示は有名な【運慶】でした。 昨年は随分とTVで運慶が取り上げられていた気がしますが、番組そのものは一度もみたことはありません。 何故そんなにTVでやっていたかといえばトーハクで昨年の9月~1月末まで大規模な運慶展が行われていたのでした。 聞くところによるとこの運慶展に訪れた人は60万人というものすごい数だったそうです。(それにしてもすごい人気です!世の中知らないところでこんなに沢山の人が移動したり、集まったりしているわけですね。) 僕は特に運慶に興味があるわけでもなかったので、そんな展示だとも知らず金沢文庫まで来てみたのです。 運慶といえば、たぶん一般人がまず思い浮かべるのは仁王像ですが、僕が仁王と聞いて思いすぐ思い浮かべるのはこんな話です。 【あるお寺に泥棒が入りました。獲物を背負って門を出ようとするとそれを見つけた仁王が、けしからんやつだと泥棒を大きな足でむんずと踏みつけます。 するとそのあまりの力の強さに泥棒は思わず(ぷーっ)と放屁してしまいます。 そこですかさず仁王が【このくせーもの(曲者)】、すると泥棒が仁王を見上げて【におうーか!(仁王か)】。 ・・・という、まあ有名な落語のまくらで、(泥棒の出てくる噺ではたいていこれがまくらに出てきます) こんなことしか思い浮かばないのですから困ったものです。 (下は称名寺の仁王、すごい筋肉です!) 仁王の実物といえば仕事場の近くの増上寺のものとか、自転車で通る横浜弘明寺のものなど思い出します。 増上寺の仁王(江戸時代作)がさほど迫力がない?のに較べ、弘明寺(こちらは鎌倉時代)のほうは大迫力で、運慶派のものだと思われます。 快慶は作ったものを改作することはなかったそうですが、運慶は完成した像でも、仁王の顔の向きが気に入らないと、弟子に命じて出来上がった仁王像にまちを入れて顔をうつむかせたり、左肩の筋肉の付き方が足らないと感じれば、これまた弟子に命じて左肩に別木を当てさせ、そこに筋肉を盛り付けさせたりしたそうです。 (下は称名寺の仁王門) さて坂を登って最初に目についたのが称名寺の立派な朱塗りの赤門でした。 これをくぐってさらに仁王門を過ぎると池とそれを渡る太鼓橋を配置した広々とした庭園と立派なお寺が目にはいります。 鎌倉に住んでいるのでお寺は良く目にするのですが、同じ鎌倉時代の建造物でこんな大規模な庭を持つお寺が金沢文庫に残っていたとは知りませんでした。相変わらずですが、まったく世の中知らないことだらけです。 境内からトンネルを抜けると、そこは雪国ではなく金沢文庫の入口でした。 (下の写真) 元々は文庫という名前の通り鎌倉時代の図書館のようなものだったのですが、現在は立派なコンクリートの建物の博物館になっています。 展示物も多く想像以上に立派なものでした。 特に年寄の割引率が大きいのが、えらいぞ横浜市!(一般の入場料が800円のところ年寄はなんと200円なのです) 今回の展示の中で一番すごいなと思ったのは運慶作の可能性が高いといわれる、ややこぶりの大日如来像でした。 大きさにわりにずっしりとした存在感があるのです。 それにしてもどこかで見たような雰囲気だな?と思っていると、思い当たったのが普段通っているジムで、ガタイの良さを見せびらかせているビルダーたちです。 この大日如来像の引き締まった体躯を見ていると、ものすごく良く似ているのです?【おお!運慶はビルダーだったのか!】と思ったのでした。 金沢文庫でもう一つ面白かったのが称名寺の本堂に安置されている弥勒菩薩像の姿を作られた当時の姿に復元した像です。 座っている蓮華座は派手なグリーンなのでまるで切ったパイナップルの上に座っているように見えます。 ややくすんだ黄金色の全体に、唇は紅をさしているかのように真っ赤です。 背後にある12の仏様の姿が刻まれた光背は、ピカピカの黄金色でまばゆいばかりです。 そしてその背後に書かれている絵も当時そのままに色鮮やかに復元されています。 その派手目な緑とかオレンジの組み合わせは、キトラ古墳の壁画をデジタルで復元したものと色彩が良く似ているように見えます。 古墳時代から鎌倉時代までのお寺の仏像や画は、現在見られるような渋い色合いではなく、このような派手な色彩で彩られていたのかもしれません? その像と壁画は、われわれが日本のお寺の色は木そのものの色で、とても落ち着いていてしぶいもの、と思っている固定観念を見事にひっくり返してくれます。 感覚的には、どこか日本のものではなく、中国とか韓国のもののようにさえ見えてしまいます。 ちょうど2階からもこの弥勒菩薩と後ろの絵を見渡すことが出来るようになっています。 うす暗い中に、ぽっと黄金色に輝くこの像を見ていると、そこには今まで思っていた日本の寺院の姿とはまったく違ったものが見えてくるようで、とても不思議な気がしたのでした。
by omoshiro-zukin
| 2018-02-06 20:08
| おもしろ美術
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