フレデイ・レッドのシェイズオブレッド |

JAZZは何となくとっつきにくい小難しいもの、たばこの煙がもんもんとたなびく暗いJAZZ喫茶でひたいにしわを寄せながら、体を揺らしている理屈っぽい男たち、そんなイメージだったので僕には無縁のものと思っていました。
それでもラジオで聞いたファイブスポットアフターダークが気に入ってそのLPだけは持っていたのが不思議と言えば不思議です。
それから何十年も経過してもはや中年というより、中高年という年齢になってから、あるCD店の試聴コーナーで聞いたFREDDIE REDDのSHADES OF REDDいうアルバムがJAZZを本格的に聞きだすきっかけになろうとは!まったく人生でどこでなにが起こるかわからないものです。
そしてこのJAZZを本格的に聞きだしたことがオーデイオにも興味を持つきっかとなったのですからこのアルバムの罪は重いと言えるでしょう?
何となく風変りでメランコリックなメロデイーを複数のラッパが奏でるのが妙に気持ち良くて、その場で購入し、すっかり気に入りました。
タイトルのフレデイ・レッドという人はもちろん一番目立つサックスの人だろうと思い、仕事仲間で事務所にJAZZプレイヤーのサインが飾ってあったTさんならきっとJAZZに詳しいと思い聞いて見ました。後に判明したところエルビンジョーンズのサインでした。
「フレデイレッドって知ってます?」ところがまったく知らない様子、どうやらそんなに有名な人では無いらしいのです。ちなみに今ではJAZZのコーナーにレッドの名前がありますが、その頃はアルバムを探すのも結構大変でした。レッドも随分と人気が出たようです。
「そんで、そのアルバムどんな人が入ってるの」と聞かれて、ジャッキーマクリーン、テイナブルックス、ポールチェンバース、などとあげると‘みんな有名な人だけど、そのレッドって言う人だけ知らないね’という返事。そして僕が勝手に思い込んでいたレッドはラッパというのはまったく外れで、どっちかというと、というかソロさえもあまりない目だたないピアノだったのです。
すっかりそのアルバムが気にいった僕はそれからレッドのアルバムを探しては購入すると同時に、それをきっかけにTさんからJAZZの手ほどきを受けることになったのです。
現在CD棚をあさってみたらレッドのCDが11枚と特製ブルーノートのレッドの特製アルバム、LPレコードが数枚ありました。ほんとに好きだったんですね!ベストはこのシェイズオブレッドとアンダーザパリスカイでしょう。
Tさんのところで聞かせていただいた最初の曲は、なるほど今なら初心者にふさわしいとすぐわかる名曲ビルエバンスのワルツフォーデビーでした。シンプルでメロデイアスな曲なのでこの曲からJAZZに入門する人もおおいのでは思います。早速ビルエバンスのアルバムを何枚か購入します。
その後も比較的解りやすいJAZZ、ゲッツ&ジルベルト、ロイ・ヘインズトリオのWE THREE、ポールチェンバースのさらばストックホルム、キースジャレットのマイソング、コルトレーンとジョニーハートマンのバラードとか、そういう有名曲を聞かせてもらい、そのたびにCD店に行っては聞かせてもらって気に入ったアルバムを購入していったのでした。
その後3年間という短い間は集中的にJAZZばかりを聞いていました。とりあえずはまずJAZZの有名盤(これがまた数限りなくあるのです!)を手あたり次第に聞いて、その後好きなプレヤーが出来ると、まずその人のアルバムを集中的に聞いて見るというような聞き方でした。
クリフォードブラウン、デユーク・ジョーダン、ブッカーリトル、ルイ・スミス、グラントグリーン、ケニーバレルなどがお気に入りだったでしょうか。
やっぱりJAZZは50年代、60年代で終わっている。というのが3年間の僕の結論でした。
ところが(最近聞くのはほとんどクラシックばかりなのですが)たまに聞くJAZZは60年代のものではなく新しい物ばかりなのですから面白いものです。
特に60年代と最近のJAZZで一番おおきく違うように感じるのがドラムで、テインワッツ、ホルヘ・ロッシーなど実に面白く聞こえます。
僕にJAZZの楽しさを教えてくれたTさん、その楽しさを知るための道具がオーデイオでした。
Tさんのところで聞かせていただいたJAZZの音を聞いて、初めて世の中にこんな良い音があるんだと驚きました!
当時の僕はまったく知識がなかったのでその装置が何だったのか正確にはかわかりませんが、今考えて見るとスピーカーはアルテックのバレンシア、アンプは真空管のマランツ、たぶん7と5だった思われます。CDは雰囲気が出ないと言い聞くのはLPのみという頑固者でした。僕にとっては見たことも聞いたこともないような夢のような装置でした。
そのTさんは僕にJAZZとオーデイオの面白さを教えてくれたばかりのわずか半年後に、あっというまに病気でこの世から旅立ってしまいました。
Tさんがいつも最後に聞かせてくれたのが、Tさんお気にいりのエラ&ルイのアルバムでした。
中でも僕のリクエストした’アラバマに星落ちて’という曲がいつもしめくくりとなりました。
この装置で聞くとほんとにエラとルイが部屋に来て歌ってくれているように感じたものです。
今でもこの曲を聞くとTさんのことと、一緒に聞いた勢いのあるJAZZの音を思い出します。

ところで、一連の湘南シーリーズの写真がいいですね。私には文章もいいのは当たり前ですが、写真のセンスの良さには今更の様に驚かされます。

ビックリはこちらです。携帯ですか?!どのメーカーですか?次回の参考にします。

http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/831sh/#features
3.2メガのカメラですから、なかなかです。ズームも効くのでは?そんなに広角というほどではないと思いますが、スペックを見たけど解りませんでした。