普段着のご馳走ならやっぱり【飲茶】がぴったり。あまりの美味しさに、ついまた書いてしまいました。。 |
中華料理好きの僕としては一月もたたずに飲茶が食べたくなってしまいます。というわけで月に一度はこの店に訪れているのですが、その美味しさにつられて再び登場することになってしまいました。しつこくてすみません。
飲茶は本来は朝食に食べるものですから適度に軽く,しかもさまざまな種類が食べられるのが一度に沢山食べられない僕には特に魅力的です。ほんとうは沢山の種類の飲茶を載せた湯気を上げるワゴンが店内を巡っていて、その中から好きなものを選ぶという素晴らしいシステムがあるのですが、手数のかかるそんなシステムは横浜の中華街にはもはや一軒も残っていません。
現在僕が飲茶を食べに行くのは隠れた名店ではなく週末はいつもウエイテイングとなる人気店の【菜香新館】です。このお店のことは前にも書いたのですが味とコストパフォーマンスとお店の雰囲気が好きです。ただし2階にあがると普通のレストランのようなので、あくまで賑やかで賑やかでいかにも飲茶店風の雰囲気のある一階に限ります。
実におせっかいな事なのですが、僕がこの店に行ってもったいないと思うのは少人数で、たとえば二人でこの店に行った時によその店と同じように一般的な料理、エビチリとか酢豚とか春巻きとかをたのんで、後は焼きそばとかチャーハンで終了する人たちです。もしくは二人で一品づつチャーハンとか焼きそばとかお腹に溜まるものを頼んで、後は一品くらい飲茶とか料理を頼むパターンです。
もちろんそれが食べたいという人にとやかく口を出す必要は毛頭ないのですけど、せっかく二人で様々な味が楽しめる手頃な飲茶がある店なのになんだかもったいないなと思うのです。
さて我々は飲茶を本来の食べ方の朝食ではなくランチとして食べるのですから、点心類のほかになにかメインとなる料理が必要です。このお店ではそのメインになるものがバラエテイに富んでいて、しかもどれもが絶妙に美味しいので選ぶのにいつも迷ってしまいます。
飲茶の他にこれを一つ頼み二人でシェアーしてたべるとちょうど良いのですが、だいたいは以下のものが行く度にぐるぐると回ることになります。
まずは一般的ですが【焼豚麺】があります。同じチャーシューメンと言う名前でも普通の人が頭に浮かべるものとはまったく違うはずです。まず違うのがチャーシューでこれは何度も書いていますが巷のラーメン屋にあるものは煮豚であって本来のチャーシューとはまったくの別ものです。確かに柔らかくて美味しいのですが五香の薫るしっかりした歯ごたえの本物のチャーシューは格別です。
次に大きく違うのがスープです。こってりした味に慣れた人はたぶんおそろしく物足りなく感じる事だと思われます。しかし鶏の出汁がしっかりときいている透明であっさりしたシンプルなスープは実は他ではあまり味わうことの出来ないものなのです。そして麺は好みの細麺です。このあっさりとして上品なスープと細い麺と本物のチャーシューは、中華街本通りにあったチャーシューの名店【鴻昌 】が無くなってしまって以来これこそ僕の望む正統派の焼豚麺(チャーシュー麺)なのです。
もう一つ捨てがたいのが海老ワンタンです。ぷりぷりの海老が入ったワンタンが同じく鶏の出汁のさっぱりしたスープに入っているというこちらもあっさりしていますが絶品です。
とはいえこの店ならでは絶対食べたいというものに煲仔飯(ボウジャイファン)と竹の皮に包まれた骨付き鶏肉の入った粽があります。ともにもち米を蒸した料理なので頼むと調理に時間がかかると言われますが迷わず頼みましょう。煲仔飯(ボウジャイファン)はお魚の載ったもの、シイタケと鶏の載ったもの、骨付きの豚の載ったものなど数種類ありますが、どれを食べても満足できます。粽に入っている骨付きの鳥も美味しいものです。そしてこの両者ともしっかり出汁のしみたほかほかのご飯がたまりません。台湾とか香港で食べるものに負けない味だと思います。
これだけでも迷ってしまいますが、もう一つ外せないのがお粥です。中華粥の専門点は中華街にいくつかありますが、そこに負けない本格的な味です。そればかりか貝柱のおかゆなど頼んでみると具もこちらの方が沢山入っているほどです。こうやって見ると街で食べてもさほど味の違わない焼きそばなど頼んでしまうのが勿体ないと思いませんか?(下は春節用の特製水餃子)
嬉しいのはその季節ならではの限定メニューがあることです。今回はたまたま春節にあたり季節メニューとしていくつかあった中から海老入りの水餃子を頼んでみましたがこれも美味しいものでした。
しゅうまいなどの蒸し物を食べるときに僕が好んでつけるのがこの店特製の豆板醤です。これは僕の大のお気に入りで値段も一瓶500円とお手頃です。自宅でチャーハンやラーメンの具を作る時などに使うと一味変わるのでとても便利なので無くなると補充しています。(下はチャーシュー饅頭)
料理を頼むとき忘れてはならないのがお茶です。飲茶という字のごとく本来はお茶と食べるものです。そしてなんといっても料理に一番合うのがプーアール茶です。お湯を足してもらう時は本場だと急須のふたをずらしておくのですが日本ではちゃんと言葉でお願いしましょう。快くお湯を足してくれます。
二人だと飲茶が4~5品そしてご飯類が一種類でお腹がくちくなるはずですが余裕があればデザートにも挑みたいものです。これも杏仁豆腐とかタピオカとかマンゴプリンなどどこにでもあるものではなく、この店ならではのものを頼みましょう。広東風蒸カステラとか揚げ饅頭なども良いのですが、季節のデザートがあればそれがお勧めです。ちょうど春節の今はピリッと辛い生姜茶の中に白玉?に包まれた胡麻餡の入った暖かいデザートがありました。さっぱりしていながら甘くてたっぷりの生姜で体もあたたまります。ほかにもこの季節のデザートとしてハスの実いり餡を使った揚げたお菓子もありこちらもさっぱりとした上品なものでした。こういうデザートはなかなか街の中華料理店では食べることが出来ません。
(下の写真は生姜茶と胡麻あん入り白玉のデザート)
前にも書いたのですが今回は二人で行ってお茶と飲茶4種類と麺とデザートまで食べて一人1700円程度なのですからその味と内容から見ると信じられないくらいのコストパフォーマンスの良さには毎回びっくりしてしまいます。
普段小食なのでバイキングなんてまっぴらな人、せっかく中華街まで来たなら本場の味を楽しみたい人、お酒もいいけどお茶だけでも食事を楽しめる人、ちょっとづついろんな味を楽しみたい人、そんな人には飲茶はほんとにお勧めです。
他では食べられないものを
安心して頼めるというのは良いですね。
お店を覚えておきます。
みなとみらいにはしょっちゅう行っているようですからぜひ足を伸ばしてみてください。ちょっと並びますが開店にあわせていけばそれほど待ちません。実はみなとみらいにも安くて美味しいカレーがあるのですけど・・・・それはいつかまた。??