10月の中秋の名月にかこつけた3日間。日本庭園でバロックを聞いたこと。続き。 |
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2017年 10月 14日
この日は朝からすっきりと晴れて、まるで真夏が戻ってきたような一日でした。 今回はコンサートを聞くつもりはなかったのですが、念のためシートも持参しました。 ちょうどコンサートの始まるタイミングでは、まだ月が出るには早そうだったので、また芝生の上に座りました。 今日の演奏はバロックだそうです。とはいえ無料の演奏会のバロックなんて真剣に聞くようなものではないだろう?とたかをくくっていたのですが、これが大きな間違いだったのです。 まず楽器はすべてオリジナル楽器という本格派です。 ヴァイオリン2台(曲によってはビオラ)ヴィオラ・ダ・ガンバ、木製のフルートトラベルソ、そして美しい模様の施されたかなり大型のチェンバロという典型的バロックの編成です。さらにうれしいことに器楽演奏だけでなく女性の歌まであったのです。 昨日の演奏に較べると使われていないのでは、というほど控えめなPAで、実に繊細な音がします。 もともと響きの良い室内で演奏されることが前提だった楽器なので、野外のコンサートには不向きなはずです。最初は音が小さすぎる気もしましたが、聞いているうちに、一緒に合奏する虫たちの声と混じってとても気持ち良い響きに聞こえたのです。 (下の写真の芝生部分が観客席、右側の建物の中がステージになるという絶好の設定です) なにより感心したのが選曲の良さです。というより僕の好きな曲ばかりを集めてくれたかのような選曲だったのです。前半はテレマン、ヘンデル、バッハに渋いところでラモーと典型的なバロック曲。 歌曲はバッハの親しみやすい2曲【あなたがそばにいらしたら】と【狩りのカンタータ】です。女性の声はとても伸びやかで、力みのないバロックの発声方で歌う本格派です。 このオリジナル楽器のバロック編成をバックというのがまた実にしっとりとして気持ちが良いのです。バッハの歌が透明な空気に満ち溢れた夜空に吸い込まれて行きました。 そして後半には合奏だけでなく、テレマン作曲のビオラ・ダ・ガンバの独奏曲や、馴染深い曲も入ったバッハのチェンバロの独奏曲もあるというバラエテイに富んだもので、この選曲には飽きさせない工夫が感じられました。 そして後半の歌曲は、より親しみやすいモーツアルトの可愛らしい名曲【すみれ】です。 この曲は通常はピアノの伴奏で歌われることが多いのですが、チェンバロの伴奏というのもなかなか良いものです。 そしてもう一曲がヘンデルのオペラ【リナルド】からのアリア【涙のながれるままに】という、これまた良く知っている曲なのですから嬉しくなります。 そしてさらにうれしくなったのが最後の曲です。 僕はヘブラーの弾くC・P・Eバッハのチェンバロ協奏曲のアルバムが好きなのですが、このC・P・Eバッハのチェンバロソナタもまた良い曲です。 (残念なのは僕のクラシックの先生のIさんに聞かせてもらったヘブラー演奏のこのソナタのレコードがいまだにCD化されていないことです!) そしてモーツアルトもこのチェンバロソナタを気に入っていたようで、後にこのソナタを元に協奏曲を作曲しているのです。 この素敵なモーツアルトの曲、K107、チェンバロ協奏曲が最後の曲でした。 この曲は現代ピアノでペライアが演奏しているCDを持っているのですが、いかにもモーツアルトらしい雰囲気で気持ちの良い曲です。 少々一本調子なバロック曲だけだと飽きてしまうかも知れないとの配慮か、最後にモーツアルトを持ってくるなんてなかなかです。 まさかこんな場所でこんな素敵な演奏に出会えるなんて! 結局最後までしっかりとこのコンサートを聞いてしまったのですが、コンサートが終了しても肝心の月の姿はいまだ見えません。 だいたいにして勉強不足なので、いったい何時が月の出で、どちらの方向に登るのかさえ分かりません。 とはいえ9時の終了時間までまだしばらく時間はあります、いい加減に出てくるだろうと、池のほとりのベンチに座って、涼しくなった風がたてるさざ波などを眺めてしばらく過ごしていましたが、一向に月がのぼってくる気配がありません。 閉苑時間も迫ってきたので、しょうがないので門に向ってしばらく歩くとその途中、思ってもいなかった方向、山と山の切れ目の低いところに、まだ青白い光を発する前のオレンジに染まった月が目に入ったのです。 【おお!月だ!】、数人の人が少し高くなったその場所に集まっててんでにスマホをかざしています。 観月会の最終日のこの日の月は実はすでにかなり上限が欠けていたのですが、この場所でなんとか月を見ることが出来て、なんだかとても満ち足りた気持ちになったのでした。 いつも充実した時を過ごさせてくれる三渓園ですが、この観月会に来たのは初めてでした。 いままで何年もの間やっていた催しのようですが、今年になるまでまったく気が付かなかったからです。 こうやってありとあらゆる知らない場所で、知らない時間に、さまざまな面白い事が行われているはずですが、その全部を追いかけるのは無理です。 たまたま何かの塩梅で、こうやって出会う程度が良いのかも知れません。 予想もしていなかったこういう素敵なコンサートに出会ったりもできるのですから。
by omoshiro-zukin
| 2017-10-14 08:39
| おもしろコンサート・ライブ
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