ジョナサン・ノット指揮、東京交響楽団のモーツアルト【ドン・ジョバンニ】に行ってきました。 |
本物のオペラは高いのですけど、こういう演奏会形式のでも演奏者がよければ十分に楽しめます。逆にちゃんとしたオペラでも日本のものは残念ながらあまり感心したことはありません。
以前サントリーホールで見た同形式のコシファントッテもとても素晴らしいものでした。
このジュナサンノットのものはシリーズで次回はフィガロをやる予定になっています。ぜひどうぞ!とはいえ来年の12月予定ですから先が長い!
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2017年 12月 14日
ジョナサン・ノット指揮、東京交響楽団のモーツアルト【ドン・ジョバンニ】に行ってきました。 実に聴きごたえがあるばかりか、演奏会方式とはいいながら出演者たちは通常のオペラのように演技し、舞台を縦横無尽にかけめぐるので見終わった印象は通常のオペラとあまり変りありません。 しかも横の上の席だったのでオーケストラ全体もみわたせて、これはこれで面白いものです。 切れの良い演奏と大迫力の歌を十二分に堪能することが出来ました。 オペラというと眉をしかめる人がいます。随分と高貴な趣味ね!などと敬遠したり、どうして、あんな鶏が絞め殺されるような声をわざわざ聴きに行くのか?などと思う人もいるはずです。かく言う僕も2000年の頃まではまったくそう思っていました。 きっかけはスターバックスです。といってもまだスタバが日本に上陸する前のこと、米国のスタバでは自社で作成した洒落たジャケットのオリジナルのCDを販売していました。 主にジャズでしたが、たまたまオペラのアリア集を購入したのです。家で聞いてみたら【おや?いがいといいじゃない】と思ったのでした。 その後クラシックにも興味をもつようになって、僕のクラシックの先生であるIさんが大のオペラ好きということもあり、随分とオペラのレコードを聞かせてもらううち、今まで嫌だと思っていたクラシックの声が、絞め殺される鳥の声とはまったく違う(あたりまええですが)、実は素晴らしいものだと言うのが解ってきたのです。 それから初めて本物のオペラを見たのですが、演劇、照明、衣装、舞台装置、オーケストラの演奏に歌という様々な芸術が一同の元に 集まってきらびやかなエネルギーを放出するのですから、これが面白くないわけがありません。(TVで見るとその魅力は半減どころか、それ以上に失われてしまいます。百聞は~ということわざはまさにオペラ(とバレエ)のためにあるようなものです) さてモーツアルトのオペラです。 どうしてわざわざそう断るかといえば、他のオペラと違いモーツアルトのオペラはどこか違うからです。 もしかするとそれは冷たいもりそばと、暖かい天ぷらそばくらいの違いがあるかもしれません。 おれは冷たいそばしか食べないぞ、そばなんていうのは冷たいのが本当さ、という人がいるようにイタリアオペラが好きな人の中には、モーツアルトのオペラを聞かない人もいるようです。 確かにモーツアルトの有名なオペラのストーリーというのは一風変わっています。 特に稀代の天才ダ・ポンテが脚本を書いた3部作は単なる恋愛コメデイというにはスパイスが効いています。 モーツアルトのコメデイスタイルのオペラ(オペラブッファ)にはイタリアオペラの恋のために生きるか死ぬかという、派手な悲壮感がないので軽くみられがちですが、どうして実はなかなか奥が深いのです。 特に今回見た【ドン・ジョバンニ】はその中でもひときわ異色です。 まずは、この時代にねっからの悪党が主役になるのは珍しいことで、とても野心的な試みだったと思われるのです? しかもその悪行というのがひたすら女好きというなのですから、現代よりいっそう不道徳に感じられたことでしょう。 オペラの主人公に悪人が登場するのは、嫉妬に狂ったすえにそうなってしまう【オテロ】、みずからに忠実に生きる奔放な女主人公【カルメン】など思い出しますが、ともにねっからの悪人というわけではありません。 しかもオテロの上演は1887年、カルメンは1875年で、【ドン・ジョバンニ】は1787年ですからおよそ100年近くも開きがあります。 どんな事があっても懲りないドン・ジョバンニを見ていると、僕の中で、なんとなく重なって見えるのが、スタンダールの小説【赤と黒】の主人公ジュリアン・ソレルです。 ドンジョバンニもジュリアン・ソレルも自分の欲望にきわめて忠実なのです。 当時の世界において自己の欲望を貫くというのは、実に先進的な思想だったのでは想像してしまいます。 この二つの物語の背景として無視することができないのがキリスト教社会の存在です。 まだまだキリスト教が社会全体に強い影響力を持っていたこの時代に、個人の欲望に忠実であるということは、キリスト教に対するあからさまな挑戦というセンセーショナルな一面も持っていたはずです。 とはいえ1000人もの女を犯し、ついでに女の父親まで殺してしまうという(しかもまったく反省なしで、次の獲物を物色します)稀代の悪党ドン・ジョバンニは、最後には殺した父親の亡霊によって地獄に連れて行かれてしまいます。悪行を重ねているとこういう最後に鳴ってしまうのだよ、という教訓劇になっているのです。にもかかわらずこの劇では、ほんとうにそういう教訓劇なの?と思わせるような 突っ込みどころがたくさんあるのです?。 まずはこのドラマにおける男女の描き方です。 僕にはこのドラマに登場するドン・ジョバンニ(騎士団長は亡霊となるので別扱い)以外の男が、実に単純で純情な男たちに、ある意味情けない存在として描かれているのに比べて、本来このドラマの被害者である女性たちは、ひたすら純情な面を持つと同時にしたたかとさも持っているように見えるのです。 (長くなったので続きます) 今回の写真は光則寺です。いつもたくさんの人で賑わっている長谷寺のすぐお隣にあるにもかかわらず、いつもひっそりとしているとても良いお寺です。
by omoshiro-zukin
| 2017-12-14 10:43
| おもしろコンサート・ライブ
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Comments(2)
こんばんは。僕も昔はオペラは苦手でした。いつごろからかそうでもなくなり、魔笛が好きでビデオでたまに見ます。一度はライブで見てみたいものです。
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Commented
by
omoshiro-zukin at 2017-12-14 18:33
> syozoさん
本物のオペラは高いのですけど、こういう演奏会形式のでも演奏者がよければ十分に楽しめます。逆にちゃんとしたオペラでも日本のものは残念ながらあまり感心したことはありません。 以前サントリーホールで見た同形式のコシファントッテもとても素晴らしいものでした。 このジュナサンノットのものはシリーズで次回はフィガロをやる予定になっています。ぜひどうぞ!とはいえ来年の12月予定ですから先が長い!
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