3月の雪。 雪が降っていると必ず思い出す映画の一シーン。シェルブールの雨傘。 |
雪の東慶寺、雰囲気のある良いお写真ですね。
モノクロの世界によって、花の色が強調され、日常とは違った感じが良いです。
こちらは、最近写真を撮りに行けてないのですが、お写真を拝見し、私も撮りに行こうかとテンションが上がりました。
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2018年 03月 23日
一昨日は朝の雨がしだいに雪に変わり、それでも、まあ積もらないだろうと思っているうちに、だんだん本格的な降り方になり、あたりはしだいに雪景色に変って行きました。
いつものジムに行こうと思って電車に乗って外の風景を見ると、外はすっかり白くおおわれています。 そういえば雪の日の東慶寺の風景はしばらく見ていないなと、思わず一駅前の北鎌倉で電車を降りてしまいました。 というわけで今回はその時の写真です。 降りしきる雪を見ていると必ず思い出す映画の一シーンがあります。 【シェルブールの雨傘】のラストシーンです。 ちょっとしたボタンの掛け違いのようなことで、恋する二人はそれぞれ別の人と結婚することとなります。 それから季節は巡り、お互いに子供も出来、その子供も走り回れるくらいに成長しました。 そんな頃のある雪の降る日、偶然に彼の経営するガソリンスタンドに彼女が立ち寄るのです。 この映画ではズーンと胸がつまり、鼓動が高なって行くようなシーンが二か所あります。 一つは彼が兵役に取られアルジェリアに旅立つ日、カフェと駅での別れのシーン、そしてもう一つがこの雪の降りしきるラストシーンです。 別れと再会、まったく逆の出来事ですが、それが共に胸に響くのです。 まさにセ・ラヴィです! 出会った二人は互いに短く近況を話しただけで再びお互いの人生に戻って行きます。 去って行く彼女の車(これがメルセデスなのは彼女が裕福な暮らしをしているのを象徴しています) 画面がどんどんと引いて視点が空に昇っていきます。妻と子供たちが戻って来て彼に駆け寄ってくる姿がだんだんと小さくなっていきます。降りしきる雪の中、音楽は大きくなって行き、ガソリンスタンドがどんどん小さくなっていきます。 この映画の別れと出会いのシーンを感動的に盛り上げて忘れられないような場面にしてしまうのは、ほとんど音楽の力です。 そしてこの映画を忘れられないものにする大きな要素に色(色彩)の力があります。 名作が生まれるためには、まるで宇宙の中で星が生まれるように、様々な要素がある一瞬の時間に集まってくることが必要な気がします。 たとえばこの映画を撮ったジャック・ドゥミ監督はこの映画と【ロシュフォールの恋人たち】の2本以外にはこれといった作品を残していませんし、クロード・ルルーシェ監督なども【男と女】だけで終わっている感じがします? もちろんその才能がものすごく偉大な場合ではその限りではありません。いくつもの優れた作品を残している監督もたくさんいます。 それでも、何か偶然のように同じ時に優れた才能が一同に集まって、優れた作品を生み出す特別の時間のようなものがある気がするのです。 【シェルブールの雨傘】と【ロシュフォールの恋人たち】はともにジャック・ドゥミ監督でミッシェル・ルグランが音楽を担当しています。 この二人の力がこの名作を生んだことは確かですが、この二つの映画で忘れられているのはこんなことです。 一つ目は音楽です。ルグランの作った音楽はもちろん素晴らしいのですが、その歌を歌っている歌手がぴったりなのです。 恥じらうばかりの清楚さと少女特有の色気を同時に持ったカトリーヌ・ドヌーヴ自身が歌っているように聞こえるのですが、もちろん吹き替えです。 ほかの俳優もほとんど吹き替えだと思われるのですが、その情報があまりにも埋もれているのです。 シェルブールのドヌーヴの吹き替えはダニエル・リカーリという歌手で、日本のコマーシャルなどで使われているスキャット曲でヒットし、来日もしているそうですが、全く知りませんでした。 今来て見ると彼女のスキャット曲はムードミュージックのようで、それほど良いとは思われません。 やはりこの映画だけが別物だったのでしょう。 最近ではオペラ歌手を引退したナタリーデセイがルグラン本人の伴奏で歌ったりと、あれだけさまざな人と共演しているルグランも彼女とはこの映画以外に録音もありません。 またロシュフォールの方は誰が吹き替えをしているのか、未だにわからないのです。 もう一つが色彩の美しさです。 この二つの映画を何度も見直していると、見るたびにその色彩の美しさに驚いてしまいます。 しかも実に細部にわたって、こんなに色彩が考えられていたのかという新しい発見があり楽しくなります。 それは撮影の技術ということではなく、映っている被写体そのもの、舞台美術としての美しさなのですから、その美しさは監督やカメラマンではなく衣装、町並み、小道具、画面に映るすべての物の色をまるで画家のように考えた人物にあるはずです。 この二つの映画では街の壁、部屋の壁紙、主役の服の色はもとより通行人の服の色や傘の色、などすべてに渡って、色彩がとても目立ちます。 部屋の壁紙と登場人物たちの服装、町並みと通行人まで、すべての色がまるで絵画のように計算されて置かれているのです。 シェールブールでは黄緑色と深いピンクというのがテーマの色で、この組み合わせが町の壁、カフェの店内、部屋の壁紙などで反復されています。 ロシュフォールでは上機嫌の天気に合わせて、明るいブルーに白、それに赤やピンク、黄色など実に鮮やかです。 この撮影では実際に地味なロシュフォールの街の窓枠から壁にいたるまで、様々な色で塗ってしまったそうです。 これほどまでに街を舞台のように様々な色で染めた映画をほかには知りません。 この二つの映画の色彩は同一人物の手によるものであるのは間違いありません。 確か何とかという女性がこの二つの映画の色彩コーデイネートをやったという話しを聞いた覚えがあるのですが、残念ながらその名前を思い出すことはできませんし、今調べてみてもそれが誰だったのか解りません。 このように優れた映画が生まれる背景には、監督だけでなくさまざまな才能が集まっていたのです。 とはいえこの二つの稀有な名作を撮ったジャック・ドゥミもその後米国に渡り、つまらない映画を撮った後、失意のうちに病気で亡くなってしまいます。 3月の雪が降りしきる東慶寺の境内で、そんなことを思い出してしまったのでした。
by omoshiro-zukin
| 2018-03-23 16:50
| おもしろ映画
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Comments(2)
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by
ハンコック
at 2018-03-26 12:49
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こんにちは。
雪の東慶寺、雰囲気のある良いお写真ですね。 モノクロの世界によって、花の色が強調され、日常とは違った感じが良いです。 こちらは、最近写真を撮りに行けてないのですが、お写真を拝見し、私も撮りに行こうかとテンションが上がりました。
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Commented
by
omoshiro-zukin at 2018-03-26 18:42
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