初めて山種美術館に行って思ったこと。 |
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2018年 08月 15日
僕が日本画に興味を持ち出したのはつい最近の事なので、それまでは日本画の美術館なんてとても縁遠いものでした。
「そんなのがあるなー」と思っていた程度で、自分がそこに行くことなど想像もしていませんでした。 ところが最近はすっかり日本画のファンになり、好きだった現代美術より、むしろ日本画のほうに興味があるくらいになりました。 いくつかの美術館や展覧会を巡ったり、本を読んだりして、日本画の流れというのが、やっとぼんやりと解るようにもなってきました。 横浜の三渓園が好きで、最近はよく行くのですが、その園内にある美術館に飾ってある画家たちの画というのが、まじまじと見た初めての日本画でした。 そして、そこで初めて出会った画家たちの作品を多く展示しているのが山種美術館でした。 三渓園を作った原三渓さんは、知れば知るほどすごい人で、コレクターとしてもすごい目利きでしたし、彼自身の描く書画もそれを職業とする人に少しも引けを取らないものです。 その上家具までデザインするという多才ぶりは驚くほどで、本来は企業人なのに、仕事はいつやっていたの?と思ってしまうほどです。 その三渓さんは、当時まだ若手だった、今村紫紅、安田靭彦、小林古径、前田青邨たちと親交を深め、また作品を購入したり、金銭的援助をしたりと、この時代の日本画の発展の大きな力になった人でもあります。 今、山種美術館で開催中の企画展は【水を描く】で、サブタイトルは広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお、というものでした。 知人の日本画に詳しい(というよりかなりのマニア、もちろん東博の年間パスも持ってます)BTさんによると、【山種は新しい画がおおいからなー、実は明治以降の日本画にはあまり興味がないので・・】ということで、ここはあまり好みでないようです。 でも画の好き好き(音楽も!)は、あくまで個人的なものです。 こちらが好きと言えば、いや僕はこちらが、と正反対のものが好きという人も沢山いるのが、この世の中というものです。 せっかく三渓園で馴染になった作家の作品ももっと見たいし、と思って行ってみることにしたのです。 週末とはいえ、特に目玉の展示があるようにも思えないのに、結構人が来ているのに驚きました。 若い人も目立ちます。 夏休みのデートスポットはギラギラした海ではなく、緑の多い鎌倉のお寺とか、こういう美術館とか、随分おとなしくなっているのでしょうか? まあそんなことは余計なお世話ですが、BTさんが【日本画の美術館は昔はがらがらだったのに、最近は混んでしょうがない、いったいどういう訳!、TVで特集するのやめてほしい!】などと自己中心的なことを言っていましたが、なるほどと思わせるものがあります。 まあ最近通いだしたばかりの僕には何とも言えないのですけど。 先般の東博の展示などと見比べると、これはまったく違う世界なのです。 これを同じ日本画、という簡単な言葉でくくることが乱暴に感じられるほどです。 明治以降の日本画とそれ以前の日本画というのはこれほど違うものだったのか!ということが初めてわかりました。やっぱりまとめて見ると違うものです! 明治になって西洋美術が日本に入ってくると(美術という言葉さえその時誕生したのです)新し物好きの日本人ですから、一気にそちらに目が行ってしまいます。 それはそれで良いのですが、その一番の被害は作品にではなく、技術の継承にあったのです? 西洋的な表現をあまりにも重視しすることにより、今まであった伝統的かつ職人的でもあった技術が、その表現に合わないと切り捨てられた結果、今ではその技術が失われてしまったのでは?・・・今回の展示を見ていると、そんなことを感じてしまいました。 今回の展示のなかで、見ていてほっとしたのは松岡映久の山科の宿のうち、雨宿り、と竹内栖鳳の描いた水に浮いている蛙を描いた小品と、墨絵の雨中山水でした。 展示されていた、この二人の作品が、共に古典的な技術や雰囲気を感じさせるものだったからでしょう。 見終わって美術館を後にするとき、あまりにも何か見たという充実感が希薄なのに我ながら驚いてしまいました。 その印象には建物と庭の存在も大きく影響しているのかもしれません。 残念ながら山種美術館の建物の佇まいにも、あまり良い印象はありませんでした。 (ビルの地下ですからしょうがないですが) 立派な庭を持つ、永青文庫と根津美術館が、いかに貴重で素晴らしいものか、あらためて感じることになったのです。 というわけですが、この印象もやっぱり好みによるものでしょう。 シンプルな響のバロックのミサ曲を聞きに行ったつもりが、こってりと派手な後期ロマン派のミサ曲を聞かされたようなもの、かもしれないなと思ったのでした。 (ちょっと違うような気もしますが・・)
by omoshiro-zukin
| 2018-08-15 08:51
| おもしろ美術
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