横浜の三渓園でガイドの坪井さんに外苑を案内してもらったこと。知っているとみどころいっぱい三渓園!その2 |
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2018年 10月 28日
続いては【旧燈明寺三重塔】です。
この室町前期に建てられた、関東に現存する最古の木造の塔は、三渓園の景観にかかすことの出来ないものです。 入り口から入って池の後ろの丘に遠く見える姿、三渓園のシンボルともいえる臨春閣からの眺めもこの三重塔がアクセントになっています。 お月見の時なども、この塔を背景に月が登ってくる風景はとても風情があるものです。 園内のどこからも良く見えるので、相当に高い塔なのかと思って初めて近くで見た時は、想像していたよりも低くてがっかりしたことがあります。 とはいえ今回初めてじっくりとその姿を見ると、なかなかに立派です。 三つの屋根は順番に小さくなっていて、一番上の屋根が一番小さくなっています。 そのため遠くから見たときも、高く感じられるように作られているのです。 こんな立派な三重塔ですが、もともとあった燈明寺が潰れかけて、その場で朽ち果てる運命にあったものを、原三渓さんがここに移築したものです。 解体してここに持ってくる時、一番長い柱だけは長すぎて、そのままでは列車につむことが出来ず、一度切って運搬し、この場で継ぎ足してあるそうです。 こんな立派な建物をわざわざ解体して列車にのせて、奈良からここまで運び、ここでまた建てなおすのですから、ものすごい手間です。 三渓園にある建物はすべて、こうやって一度その場で解体され、ここまで運び込まれ、この地で再び建てられ建てらたものです。 その手間と費用を考えると、スケールの大きさには、たまげるばかりです。 今回初めて知ったのはこの三重塔の階段から降りる途中からの桜の見物スポットです。 池を囲む桜を見下ろす風景と、もう一つ、反対側の山に咲く山桜とその下のソメイヨシノの対比もきれいだそうです。 (園内には、わざわざ中国から運ばれてきた石がさりげなく置いてあったりします) なるほどこれは良さそうです。桜の季節にはいつもくるのですが、ここまで登って桜を見下ろすことは考えても見ませんでした。 こんどの桜の季節にはここまで登って見ようと思いました。 丘を降りると小さな川を挟んでゆるい勾配に囲まれた林道のような風景になります。 このあたりは人里から少し離れた山の中のような、穏やかな雰囲気が流れています。 初夏にはこの渓流に蛍が放たれて、幽玄な世界が出現します。 渓流の横には囲炉裏のある茶屋があります。 現在は梅の季節にここで無料のお茶が振る舞われていますが、開演当時もここではそうやってお茶が振る舞われていたそうです。 このあたりは渓流と林で、まるで山の中のような雰囲気ですが、もともとこの場所には川は無かったそうです。 そればかりか三渓園のシンボルともいえる大きな池も無かったのです? 実はこの三渓園の水はすべてポンプで汲み上げてそれを流しているというのです。 この庭が作られた時代に、大工事を行い巨大なポンプを設置したのですが、それには莫大な費用がかかったと言われています。 (下は渓流の横にあるお茶屋) この三渓園には、このように三渓さんの徹底した美意識が流れているのです。 見どころが多いわけです! この川のほとりに素朴で小さな庵がひっそりと建っています。その名前も美しく【横笛庵】といいます。 この建物の経歴も不明なのですが、もっと面白いのはこの名前の由来となった横笛の像です。 横笛というのは平清盛の従者と恋に落ち、悲恋に終わった女性です。 他の人の恋がかなうように、恋人からもらった千通の文を使って彼女が自分の姿を作った像とされています。 もちろんそんなことはなく、ずっとずっと後の時代のものでしょうが、縁結びの像として親しまれていました。 30センチくらいの小さな像ですが、まるで少女のように可憐な女性が、うつむき加減ですわり、顔を落として何か持ってを読んでいるような姿をしています。 (下は横笛の像、こちらは借用した写真です) この像の実物は太平洋戦争の時、どさくさに紛れて無くなってしまいました。 壊れてしまったのか、もしくは誰かの手に渡りそこで保管されているのか、未だにその消息はまったく不明です。 ところがこの像とまったく同じ像が今でも奈良の法華寺にあるのです。 平家物語には横笛がこの法華寺で出家し、そこで亡くなったと書いてあるそうです。 現在三渓園に建てられている横笛庵の建物の経歴も不明なのですが、これがもともとは奈良の国分寺にあったものという説もあります。 (下は昨年の秋の三渓園です。今年は台風の塩害で、多分美しい紅葉は望めないと思います) 実は戦後三渓園の責任者だった人がこの法華寺を尋ねて、住職にこの【横笛像】について仔細を尋ねたそうです。 ところが先方の返事は【原三渓さんとの約束により、なにも語ることは出来ません】というものだったのです! そこで坪井さんの大胆な仮説が始まります。 三渓さんは自分の気にいったものは、多少無理をしてでも手に入れています。 有名な逸話では三渓が諦めるだろうと、井上馨がとんでもない値段をふっかけた名画(孔雀明王像)を、すんなりとその金額を用意して貰い受けに行き、井上を驚かせたこともあります。 (この絵は現在は上野の東京国立博物館にあります?) この三渓園の内苑にある(月華殿)もどうしても譲らないというので、なんと、もとあった場所にまったく同じレプリカを建てて、本物のほうを移築してしまったのです。 普通なら、わざわざそんな手間もお金もかかることをせずに、本物はそのままにして、こちらにレプリカを建てる事でしょう。 すごい情熱と行動力です! こういう逸話から想像するに、横笛の像も三渓さんがレプリカを奈良に残し、本物を三渓園に持ってきてしまったのではないか?(奈良にあるのは三渓さんが作らせたレプリカ?) 現在まったく資料が残っていないこの建物も、横笛の像を持ってきた時に、同時にここに移築し、あえてその仔細な経緯を残さなかったという推測ができるのです。 その真相はわかりませんが、興味深いお話です。 (もう一回続きます)
by omoshiro-zukin
| 2018-10-28 09:01
| おもしろ旅
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