すっかり面白さにはまって、先月に引き続き横浜能楽堂にふたたび狂言を見に行く、その2(蟹山伏)と(ぬけがら) |
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2018年 11月 15日
(蟹山伏の続きです)
これならどうだと、数珠を蟹の精に突きつけ、呪文を唱えてぐぐっと迫る山伏ですが、山伏が迫るたびに強力の耳を締め付けるハサミの力が増すばかり。 この時の蟹のせいの動きが面白いのです。山伏が迫るとぴょんぴょんと横に跳ねて移動します。 耳を挟まれている強力も一緒にひっぱられるので、痛い痛いを連発しながらも、一緒にぴょんぴょんと横に動きます。 (この動きは現代コントのように笑えます) これを見て、さらに迫る山伏ですが、あっと言う間もなく耳を挟まれてしまいます。 両脇に人間の耳を挟んだ蟹の精と痛がる二人。 どうなるのかと思っていたら、突然ぱっと耳を離すと蟹のせいはさっさと退散です。 この蟹の精の行動には目的があるのか、ないのか、いったい何をしたかったのか、実にシュールであります。 やっぱり宇宙からやってきた生物かも知れません? いきなり自由になって呆然とするふたりですが、すかさず大声をあげ、逃げた蟹のせいを追って行きます。 ・・・というふうに見えるのですが、もしかしたら大声をあげ、追っていくふりをしながら反対方向に逃げて行ったのかも知れません? という他愛もないお話なのですけど、これが狂言という様式の中でみると実に面白いのです。 その理由は後述するとして2曲めは【ぬけがら】です。 こちらは動きで見せるスラップステイック コメデイのような蟹山伏とくらべると、かなり真面目な話です。 悲嘆にくれる太郎冠者のまるで現代劇のような一人芝居の見せ場もあれば、あまつさえ教訓まであるのです? 話はお酒にまつわるもので、落語と同じく酒に飲まれてしまうと大変な目にあうよという話です。 すっかり酔っ払って使いに出た太郎冠者ですが、途中、泉のほとりで寝てしまいます。 様子を見に来た主人が、懲らしめのため太郎冠者に鬼のお面をつけてしまいます。 起きて泉に映る自分の姿を見て、すっかり鬼になってしまったと思い込み、悲嘆にくれる太郎冠者が主役です。 結局は鬼の面ははずれ、鬼は抜け殻となって太郎冠者として再生し、めでたしとなります。 僕は下戸なので、そこまでのめり込むお酒の魅力というのがそもそも分からないのですが、お酒のみがしくじって、その後改心するという話(落語でも芝浜、子別れなどたくさんあります)は、どうも嘘っぽく感じて居心地が良くないのです。 そこまできっぱりとお酒を止められるような人なら、そもそもそんなしくじりをやるほどお酒に溺れるはずがないと思ってしまうからです。 なので同じお酒が出てくる話だと、どうしてもお酒がやめられない人の方の話のほうが面白く感じてしまいます。 息子の大酒をやめさせるため、親子で禁酒を誓ったのに、息子のいない間にこっそりと飲んでベロベロになってしまう親父。 息子は息子で得意先に進められ、こちらもベロベロに酔って帰宅します。 酔ってものが何重にも見える親父、帰宅した息子を見て【こんな顔がいくつもあるようなやつにこの家は譲れない】 これを聞いた同じく酔ってゆらゆらしている息子は、【じょうだんじゃねー、こんなにグラグラする家なんて誰がいるもんか!】 というおなじみ【親子酒】の登場人物のほうに親しみを感じてしまいます。 さて、こうやって長々とあらすじを紹介してきましたが、あらすじだけ見ていると、なんでこんなものが面白いの?と思ってしまいます。 確かにあらすじだけ読んでも、そんなに面白いのか?という疑問がふつふつと湧いてきます。 そのとおりで、この物語をコントにして、そこいらのタレントがちょっとだけ練習して、TV局の舞台で演じてみたとしたら、それはまったく面白くないものになってしまうはずです。 それではなぜ狂言だと面白いのか、その理由を考えて見たいと思います。 (またまた長くなったので次回に続きます)
by omoshiro-zukin
| 2018-11-15 09:07
| おもしろ狂言
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