フィガロは面白い!ジョナサン・ノットの【フィガロの結婚】を聞きに行く。(その2) |
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2018年 12月 14日
【フィガロの結婚】の舞台を見るのはこれで4回目となります。 DVDなどで見たものを加えると10種類近くのフィガロを見ていることになります。 それにしても・・と見るたびに思います。 どれを見ても、なんと破廉恥で面白い話なのでしょう。 恋愛というよりも、むしろ色事が主体という品のなさ、ここでは恋のために死ぬというような深刻な話はありません。 なんといっても伯爵が最近廃止されたはずの初夜権を無理やり行使しようとして、それに対抗するフィガロが対抗策を巡らすという話なのです。 結局一番わりのあわない目にあわされるのは、哀れにも伯爵なのですが、その伯爵を含めて、登場人物があまりにも人間的なのが身につまされます。 そして若さの象徴であるケルビーノ、対照的に年を重ねる寂しさを感じている伯爵夫人など、この世の移り変わり、喜びと悲しみ、がたっぷりと詰まっているという、実に素晴らしい脚本なのです。 そして、そのふざけたお話にもかかわらず、それについている音楽の美しいこと! たとえ嘘を言う時の歌でさえ、その嘘が、まるで真になってしまうかのように、美しい音楽がついているのがモーツアルトのオペラです。 スザンヌが嘘の逢引を期待して歌うアリアなど、嘘のはずなのになんと美しくて甘美なのでしょう! さて今回のフィガロです。 軽快な序曲がやや早めのテンポで始まります。 この序曲最近よくTVのバラエテイ番組などで使われています。 それを聞くたびにイメージが崩れるので止めてほしいなと思うのですけど、それだけ親しみやすいメロデイなのでしょう。 著作権だってとっくにないはずですし。 ノットの演奏はいつも軽快でエネルギッシュです。 やや早めの軽快な序曲が始まると、最初は東京交響楽団がこれについていくのに苦戦しているように感じました。 特にホルンはピリオッド楽器を使っているので、演奏が難しいのです。 聞いていて、どうなるかとはらはらしましたが、後半にはずいぶんと安定したので安心しました。 演奏者も相当汗をかいたことと想像します? このオペラで一番有名な歌は、狂言回しのような役割の美少年ケルビーノの歌うアリアでしょう。 【恋とはどんなものかしら】はこのオペラを見たことのない人でも、なんとなく知っている有名なメロデイです。 飛び跳ねるような若さを持ったケルビーノが歌うのですから、イタリアオペラのアリアのように堂々と歌うわけには行きません。 若者ならではの溌剌とした、それでいて若者ならではの不安を込めたニュアンスが求められるという実は難しい歌です。 僕がこのオペラで一番好きなのはケルビーノではなく、伯爵夫人の歌うアリアです。 モーツアルトはこのオペラで美しい歌はすべて伯爵婦人に当てはめたようにさえ感じます。 中でも【愛の神よ安らぎを与えてください】や【甘く楽しかった時はどこに】は特に美しいアリアで、これを聞くと実にしみじみとしてしまいます。 今回伯爵夫人を演じたのはスウエーデン人のミア・パーションという人ですが、なかなか素晴らしい歌声でした。 それに比べると、今回のケルビーノを演じたジョルジータ・アダモナイトは抑揚の付け方が大きく、あまり好きな歌い方とはいえませんでした。 とはいえフィガロ、スザンナを始め出演者の力量は申し分なく、特にモーツアルトの得意な三重唱、四重唱とか五重唱とかは大迫力でおおいに楽しめました。 ジョナサン・ノットの指揮は相変わらず精力的です。 そのエネルギーが軽快な演奏と歌をぐいぐいと引っ張って行きます。 中腰でハンマーフリューゲルを弾いたかと思えば指揮棒を振り、これで3時間も演奏しているのですから相当な重労働です。 思わず腰が痛くならないかと心配になるほどでした。 6時半に始まり、途中一回の休憩をはさんで、あっというまに10時になってしまいました。 それだけ夢中になって見てしまったということです。 本当に楽しくも充実した時間をすごさせていただきました。 独唱に重唱に合唱(日本の合唱のレベルが高いのには、いつも驚きます)、それにオーケストラの演奏、が楽しめるのですから、オペラはやっぱりものすごく充実して面白いものです。 海外からやってくるオペラは確かに内容は良いのでしょうが、4万、5万とべらぼうに高いので、とても行けません。 巷のお金持ちのクラシックファンも、高い海外の公演ばかりに行かず、こういう地味でも内容のもあるオペラにも目を向けて、会場を満員にしてほしいものです・・。 これからも、このように質が高くてリーズナブルな値段のオペラを、どんどんとやってほしいなと願うばかりです。
by omoshiro-zukin
| 2018-12-14 15:29
| おもしろコンサート・ライブ
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