やっぱり狂言は面白い。見るたびに面白さがどんどん増していく!(武悪はすごい)と(福の神)(その2) |
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2019年 01月 20日
(武悪の続きです) 幽霊に化けた武悪が冥土で主人の父親に合ったというと、主人はさめざめと泣き出します。 本来ならばさっさと逃げなくてはならない武悪ですが、ただでは引き下がりません。 主人が怖がっているのをいいことに、父親が刀を欲しがっていると言って刀をもらい、扇を欲しがっているといって扇をもらいます。 そのたびにひやひやしているのは太郎冠者です。 せっかく幽霊だと信じているのですから、気が気ではありません。 武悪にそうそうに退散しろと促します。 ところが調子にのった武悪の暴走は止まりません。 この武悪の太っ腹でしょうもない性格が実に笑えます。 最後にはあの世に案内すると主を追いかけます。 逃げる主、追いかける武悪と太郎冠者、登場したときとちがい、早足で橋掛かりを去っていきます。 この【武悪】の皮肉なストーリーと、前半の緊迫した心理描写はまるでフランスの短編映画を見ているようです。 モーパッサンの短編小説にあっても可笑しくないような話です。 これを見てますます狂言の面白さにはまってしまったのです。 もう一曲はおめでたい狂言、【福の神】です。 なんといっても福の神が大の酒好きというのが笑えます。 響き渡るような大きな笑い声とともに登場し、ひとしきりお酒を飲んで、また笑い声とともに退場する福の神はとってもチャーミングで人間的です。 登場人物は3人ですが、二人が正式の衣装の裃を着、福の神はまばゆいばかりの美しい衣装を着ているので見ているだけでも華やかな舞台になります。 楽しい曲でした。 今回の福の神の面はなんと400年も前のものだそうです。 さて今回の見どころは、これだけではありませんでした。 ものすごい勢いで福の神の豪華な衣装を脱ぎ捨てて通常の着物に着替え、飛ぶような小走りで舞台に戻って来た東次郎さんが、にこやかに説明をしてくれます。 最後に質問のコーナーがあり、しろーと離れした質問が飛び交うのですが、今回も狂言の中の踊りについて専門的な質問があり、その踊りは大蔵流ではもう見ることが出来ないのでしょうかという問いもありました。 エネルギッシュな東次郎さんのことです。 それでは今ここで踊ってみましょうと言い出しました。 踊りには歌が必要ですが、他の人はすべて私服に着替えてしまっているそうです。 それをわざわざ着替えさせるのですから大変です。 その間この踊り【玉の段】のストーリーを説明してくれました。 能の【海人・あま】の中で面をつけずに踊る、能の見せ場を取り出した【仕舞】です。 狂言ではこれを【古舞】と呼ぶそうです? これが波乱万丈のすごいストーリーで、竜宮へ奪われた宝珠を海人が取り返しに行く話です。 いざとなったらこの綱を引くので引き上げてくださいと言い残し、短剣を片手に彼女は海に飛び込みます。 首尾よく竜宮に忍び込み玉を取り返すのですが、竜たちに見つかり追いかけられます。 彼女は自らの胸を短剣でえぐってそこに玉を隠します。 流れる血を嫌う竜たちを近づけないためです。 そこで命綱を引き、息もたえだえになりながら地上にたどり着きます。 戻った彼女は胸の中から宝珠を取り出します。命と引き換えに無事に宝珠は戻るのです。 着替え終わった4人の響き渡る地謡をバックに、東次郎さんの踊りがはじまります。 突然のリクエストなので、なんの用意もないはずなのにバックの地謡も踊りも、まるで予め用意されていたかのように完璧です。 子供のころから叩き込まれた芸の凄さ、というのをまじまじと見ることが出来ました。 狂言を見終わった後は、とてもよいクラシックのコンサートを聞いたのと、同じような充実感があるのが不思議です。 全く別のものなのに、その充実感(良いものを見た、聞いたという感じ)はとてもよく似ているのです。 すっかり東次郎さんのファンになってしまい、この4月から東次郎さんが厳選した狂言を12回に渡って上演する、(東次郎家伝十二番)のセット券(前半分)をその場で購入してしまいました。 セット券だと6回の公演が見られて、約1万6千円という、たいそうお得な料金です。 クラシックのコンサートなら1回の値段です。それで4月から9月まで毎月一度見られるのです。 なんとお得なのでしょう! というわけで今年は狂言通いが続きそうです。
by omoshiro-zukin
| 2019-01-20 07:41
| おもしろ狂言
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