どうしようもない【オヤジ】の話は昔からたくさんあるようで・・・。【鎌腹】(かまばら)その2 |
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2019年 03月 17日
【鎌腹】は落語以上にしょうもないオヤジが登場します。このしょうもないオヤジのまさに一人舞台なのです。 狂言のはじまりはまず登場人物が自ら【このあたりのものでござる】などと自己紹介してからおもむろに物語が始まるのですが、これはちがいます。 大声の怒鳴り合いが聞こえたかと思うと、鎌を振り回す女房、おいかけられて逃げ惑う亭主(オヤジ)、そして仲裁人の3人が転げ込むように舞台に登場します。 皆が山に芝刈りに行っているというのにこのオヤジはひとりぐうたらして働かないので、業を煮やした女房が草刈りの道具である鎌を手に追い回しているのですが、それはものすごい迫力です。 結局仲裁人に必死でお願いして、山に行くからととりなしてもらいます。 ところが女房に追い回されすっかり面目を失ったオヤジは、別れ際に腹立ち紛れに、こんなことなら自分で腹を割いて死んでやると叫びます。 これを聞いたら女房はともかく仲裁人が止にきてくれるはずと思ったのですが、女房、仲裁人ともに無視して去ってしまいます。 さてここからは取り残されたオヤジの一人舞台です。 怒ってそうは言ってみたものの、もともと腹を切るだけの根性も肝っ玉もありません。 切ろうと思ってはなんだかんだ理由をつけて取りやめ、そのたびに去っていった仲裁人に【切るからね、ほんとうに切るからね!】と呼びかけ、妻には【女、みていろ死んでやる】と言い放つのですが、しーんとして何の反応もありません。 最後には自分では切れないので大木に鎌をしばりつけてそこに走って行って抱きつこうとまでするのですが、その直前に怖くて止まってしまいます。 そのたびに仲裁人や女房や、果ては通りすがりの人にまで(死んでやる!)と、まるで駄々っ子のように呼びかけるのですが、誰も聞いてはくれません。 この繰り返しによるオヤジの情けなさは、まるで今のコントを見ているようで腹を抱えて笑ってしまいます。 だれも助けに来てくれないので、最後には今日はやめることにします。 この諦めの良さはさすがオヤジです。 さて死ぬのを諦めて山に行くと決めると、それまでのことなどすっかり忘れてしまいます。 山から帰って来る人と出会うと、女房に伝言を頼むのです。 それは(疲れて帰って来るから、足をつけるお湯を沸かしておけ!)と言う、とぼけたものです。 (この結末は流派によって異なるようですが、僕は今回の結末が好きです) この身代わりの速さと能天気ぶりにはつくづく感心してしまいますが、どこか自分を見ているような気がしてしまう?のも情けないところです。 今回の2曲はとても現代的でまるでコントを見ているようでした。 ジャック タチの映画を思い出してしまいました。 フランス映画と日本の昔の狂言に似た雰囲気があると言うのも不思議です。 何百年も前の作品が、今でもこれほど笑えるとは驚きです。 これでは、またしばらく狂言から足を洗えそうにありません。
by omoshiro-zukin
| 2019-03-17 08:41
| おもしろ狂言
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