狩野長信の【花下遊楽図屏風】と【片輪車蒔絵螺鈿手箱】、そして東京バレエ団の【海賊】を見に行ったこと。その3 |
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2019年 03月 22日
【片輪車蒔絵螺鈿手箱】は見れば見るほどすごいものです。
(下は借り物写真です)
さほど大きくはない手箱なのですが、その表面だけでなく、蓋を開けると内側には小さく鳥や蝶や花などが螺鈿や金を使って研出蒔絵で書かれているのにも唸らせられます。 不器用な僕は、これほど緻密で凝った仕事をする人間がいることにまず驚いてしまいます。 そればかりではなく、この現代的なデザインセンスが平安時代にすでに存在していたことにも驚かされてしまうのです。 これほど細かい仕事がしてある美術品のような箱に、どんな人が、いったい何を入れていたのでしょう? 嬉しいことに、こちらも、さほど人がおらずゆっくりと見ることができました。 下の写真は【片輪車蒔絵螺鈿手箱】の車輪の配置と、そこに使われている材料を示したものです。 この車輪には金と青金という金と銀の合金、そして螺鈿(貝殻)が使われています。 ところが実物をよーく見ても金と螺鈿の部分はわかるのですが、どこに青金が使われているのかわかりませんでした。 そこで見つけたのが、この図です 黒く塗りつぶされている部分が青金だそうですが、実に微妙な使い方をされていると驚きました。 これではパッと見だけではわからないのも当然です。 最後は日本美術とはまったく掛けなれた西洋の芸術バレエです。 演目は東京バレエ団の日本初上演【海賊】です。 僕は生粋のバレエファンというわけではありません。 ソロとかパ・パ・ドゥで、フィギアスケートのようにこれみよがしに技を競ったりするのにはまったく興味がありませんし、そのテクニックや優劣もまったくわかりません。 むしろ群舞のほうが好きで、舞台装置や照明、衣装の華麗さ、オーケストラの響きなどバレエ全体が醸し出す雰囲気が好きなだけです。 それでも振り返るとバレエの主要な演目は結構見ていました。 何度も見ている【くるみ割人形】は別格として、【眠れる森の美女】【白鳥の湖】【ジゼル】【シルフィールド】【ドナウの娘】【シルビア】【ロミオとジュリエット】【コッペリア】などの有名どころは一通り見ているし、 ベジャールの振り付きけの【春の祭典】や【ボレロ】、マリインスキーバレエの【せむしの子馬】【ドン・キホーテ】、パリオペラ座バレエ学校の公演、メンデルスゾーンの交響曲【スコティッシュ】をバレエにしたものなど、ほかにもいくつか見ています。 (東京文化会館の廊下、この雰囲気はいいです。) こうやって書き出し見ると結構なバレエファンのようにも見えますが、実はそうでもありません。 先に書いたように、ただぼやっーと見て、その綺麗さにうっとりしているるだけですから、専門的なことはまったくわかりません。 今回の【海賊】も公演の写真を見たらとても綺麗で、解説にはミラノスカラ座の衣装をそのまま持ってきたと説明がありました。 これは綺麗そうだなと思い、場所も好きな東京文化会館だったのでチケットを買ったのです。 (下はミラノ・スカラ座の写真、今回の衣装も全くこれと同じでした) さすが実力のある東京バレエ団の初演だけあって会場は満員です。 観客は圧倒的に女性が多いのが日本のバレエ公演の特徴です。 昼の公演ということもあり小学生から中学生くらいの女の子が多いのが目立ちます。 多分、皆バレエを習っているのでしょう。親は大変です? これが海外だとバレエでもオペラでも圧倒的にカップルの姿が多いのですが、日本ではオペラや女流ヴィアオリニストとなると男性が圧倒的に多くなり、若い男性ピアニストなると、女性のほうがおおいという不思議な現象が見られます。 【海賊】は賑やかな演目です。ソロやパ・パ・ドゥの見せ場が連続します。 そのたびに挨拶と拍手があるので、まるで競技会のようにも見えなくはありません。 ストーリーも結構複雑なので、物語に浸ると言うより個人の技を楽しむ場面が多く、僕のように群舞が好きで雰囲気で見に来ているものには、ちょっと専門的に過ぎる気がしました。 音楽もドンチャカドンチャカと華やかなワルツが多くて、少々騒がしい気がします。 僕の好きな華麗な群舞が出てくるのは、なんと3幕目になってからでした。 (東京文化会館のゆかは素敵です!) この群舞は新体操のように花のアーチを持って踊るもので、とても綺麗でしたが、道具を持って踊るため少々エレガント差が失われた気がします。 そもそもこの【海賊】はエレガントという言葉からは少々無縁な演目なのかも知れません。 オーケストラもバレエ団も初演ということもあり、一生懸命という感じが伝わってきます。 それが舞台を少々かた苦しくさせていたことも、そんな印象を受けた一因かなとも思いました。 (下は東京文化会館入り口付近、壁面も手を抜かずに装飾してあります。最近できたホールの内装と比べて見てください。) ベジャールやプテイを見慣れているからでしょうか、振り付けも古典的に見えて、あまり新鮮さを感じられませんでした? というわけで(海賊)は賑やかで華やかではありましたが、僕はどうやら妖精の登場するようなシンプルでロマンティックで、物語に没頭できるようなものの方が好きなようです。 と生意気なことを書いてしまいましたが、そんな感想が当たっているかどうかは神のみぞ知るです! そんなことより、こんな豪華で美しいものを、生のオーケストラの伴奏付きで5000円で楽しめるのです! バレエはとってもオトクなエンターテイメントなのです。 (会館の前には昔のバレエの衣装写真が展示してありました) 日本美術なんてまったく興味がなかったのに、一度見るとはまってしまって我ながら驚きました。 バレエも同じでした。 クラシックコンサートのファンで、バレエなんてあんな女子供のもの!と思っている人がいたら、一度くらいはバレエも見に行ってほしいものです。 本物を見ないとわからないことが、この世にはたくさんあるのです。
by omoshiro-zukin
| 2019-03-22 06:30
| おもしろ美術
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